民主党国会議員は政権交代選挙の原点へ回帰せよ。

　2009マニフェストの理念が解らないままに蔑にして「消費増税」へ突き進む愚かな野田政府首脳たちも含めて、民主党国会議員は正気を取り戻して政権交代選挙の原点へ回帰しようではないか。どのような理念が2009マニフェストに込められていたか、失念して妥協に妥協を自・公に行っている執行部も、少しは頭を冷やして「原点回帰」をしてはどうだろうか。

 

　高速道路無料化は高速道路に群がる「道路公団一家」の利権構造を根こそぎ葬る最善にして唯一の手段だった。それを阻止すべく自民党最後の麻生政権は「休日千円乗り放題」を先行実施して無料化を阻止した。無料化と「千円乗り放題」とでは政策として雲泥の差がある。つまり「千円乗り放題」では「高速道路利権」は完璧に守られる。今度の大飯原発再稼働と同じことだ。一基でも原発が稼働している限り「原子力ムラ」は大手を振って存続できるし、各電力会社が保有しているウラン燃料を不良資産として償却損金経理する必要がない。

 

　高速道路を無料化すればどうやって借金を償還するのか、という議論が提起されるが、既に高速道路の借金50兆円は国家の借金としてカウントされている。つまり一方で財投融資の赤字国債として国が借金して、それを道路公団（現・高速道路会社）に貸し付けている。損益通算で国としては何も変わらない。ただ、高速道路会社に繰り入れている国庫支出を直接赤字国債の償還に充当すれば良いだけだ。無料化にしても大して国庫支出金が増大するということではないのだが、そこを端折ってマスメディアは「50兆円の借金をどうするのか」と財政の仕組みを承知の上で国民に不安を煽っているのだ。

 

　官僚利権で消費されている莫大な予算こそ問題にすべきだ。橋下氏が大阪市の外郭団体の役員報酬のチェックをしているようだが、大阪市でも外郭団体は70もあり、平均一ヶ所に2ないし3人のOBが天下り、年俸700万円以上の報酬を得ているという。そこに650万円の枠を嵌めようとしているというが、市職員のOB天下り役員に高額ではないだろうか。せいぜい勤労者平均年収の426万円程度で十分ではないだろうか。

　大阪市で外郭団体が70程度だ、国ではどれほどあるというのだろうか。霞ヶ関の電話帳を捲って頂きたい。似たような名の、何をやっているのか分からないような財団や協会が山のようにある。それらがすべて官僚OBの別荘になっていると思って良いだろう。しかも彼らの年俸は軽く1000万円を超えている。

 

　そうした官僚利権にメスを民主党政権は入れるはずだった。少なくとも小沢代表はそうした決意でいた。しかし突如として西松事件や水谷建設事件や「陸山会収支報告書期ズレ」事件が次々と捏造され、マスメディアが「政治とカネ」とプロパガンダを煽りに煽って、ついに実態不透明な第五検審会なる機関によって検審起訴に到り、官僚の走狗となった民主党執行部により小沢氏は「党員資格停止」処分にまで処されたのだ。まったく狂気の沙汰というしかないが、日本のマスメディアとその御用評論家たちも小沢氏の冤罪を「有罪」と国民に煽りたてたのだ。

 

　野田氏は未だに財務官僚のマインドコントロール下にある。国民への約束は悉く忘却して、約束していなかった「消費増税」に血眼になっている。バカの一念とは空恐ろしいものだ。断じてバカを責任ある地位に就けてはならないと、国民は学習しなければならない。野田氏には国会議員としての資格すらないといわざるを得ない。

　財務官僚のマインドコントロールに嵌まっているバカな連中は放っといて、正気の残っている民主党国会議員は2009マニフェストに回帰して政権交代の理念を今一度心の中に呼び起こそうではないか。