「恥を知れ」というべきはマス・メディアである。

 何度も書いて来たが、また書かなければならない。鳩山氏を非難するマスメディアに対してだ。


 沖縄の普天間基地移設に際して「最低でも県外」と発言したことがそれほど非難されるべきだろうか。むしろ沖縄県民の願いではないだろうか。問題なのは米国が鳩山発言を検討しようとしたのに対して、日本の外務・防衛官僚が「辺野古沖を移転先から変更するな」と働き掛けていたことだ。そのことはウィキリークスの米国外交文書すっぱ抜きにより明らかになっている。


 


 恥を知るべきは首相の意向を無視して米国に「既定路線で行こう」とシグナルを送った官僚たちと、その官僚たちの意向に従って首相に協力するどころか距離を置いた当時の防衛大臣と外務大臣だ。


 沖縄県民の意思が米軍基地の過重な負担軽減、とりわけ世界一危険な基地とされる普天間基地の移設にあるとすれば、日本の首相が「最低でも県外移設」だと発言したのは当たり前ではなかっただろうか。


 


 それが出来なかったのが、問題だ。日本の首相が日本国内の米軍基地の移設一つ実施できない方が由々しき問題ではないだろうか。日本国内の施政権は日本政府にあるのか、それとも米国が握っているのか、という独立国家の基本に関わる問題だ。


 日米安保は米軍に日本国内の基地を提供する義務を明記している。しかし場所と面積を明記しているわけではない。しかも普天間基地の米軍が日本の安全保障のためにこれまで機能したことがあっただろうか。


 


 沖縄の各所の基地は米軍の中近東から東南アジアに対するプレゼンスのために存在しているに過ぎない。ベトナム戦争に際してはベトナムに進駐した米軍の後方基地として十分に機能した。現在作戦中のアフガン侵攻に際しても、沖縄米軍基地は重要な位置を占めている。


 日本国内に駐留する米軍が米軍の世界戦略の一環のために存在するのなら、日米安全保障条約の使用範囲を逸脱してはいないだろうか。米軍が極東から中近東を睨む「飛び石」として日本の基地を利用するのなら、むしろ「利用料」を日本に支払うべきだろう。思いやり予算ではなく、迷惑料を米軍は負担すべきではないだろうか。


 


 これまで日本国民の税が「防衛費」としてどれほど米国の軍需産業を潤してきてだろうか。今度も基本的な機体設計や製造工程に問題の多いF35を一機130億円ほどの高額な購入価格で買おうとしている。元々の提示価格は一機80億円程度だった。欧州で開発している戦闘機とどちらにすべきか迷う価格だったが、現行値は遥かに高額だ。しかもいつ配備できるのかすら明確でない。こんな「恥知らず」な国家を相手に、いつまで日本政府は付き合うつもりだろうか。


 


 マスメディアこそ鳩山氏の「最低でも県外」発言を真摯に振り返るべきだ。寄って多寡って鳩山氏の言葉を潰した責任の一端は日本のマスメディアにもないだろうか。鳩山氏はそれほど的外れな発言をしたわけではない。むしろ日本国首相として至極当たり前の発言ではないだろうか。「恥を知る」べきは独立国家として誇りも矜持も持たない日本のマスメディアの方ではないだろうか。



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