ギリシヤが財政破綻に陥るのは時間の問題だ。
ギリシャの政情不安により来月再選挙が確実になったが、緊縮財政路線に反対している「急進左派連合」が国民の支持を得て、第一党に躍進すると見られている。それに対してユーロはこれまでの緊縮財政一本槍でギリシヤ政府に迫っていた路線変更を迫られ、経済成長を促しつつ緊縮緩和も強いられる困難な対応をせざるを得なくなっている。
しかしギリシャでどんな政府が出来ようと経済成長で一定の財政再建を目指すだけの国富が国民にもたらされるとは考え難く、緊縮財政が実施できなければギリシャをユーロから離脱させ破綻処理するしか方策がないのではないかと思われる。
安住氏は4.8兆円もユーロ安定化の基金へ拠出を申し出たが、無策に過ぎたといわざるを得ない。ギリシヤは破綻処理し、その影響が及ぶ金融機関に緊急融資してギリシヤ破綻による連鎖破綻などの金融不安が拡大しない方向への基金として用いるべきだった。ギリシャがユーロから離脱するのはそもそもユーロ加入条件の財政基準を粉飾により満たしているとしたことに今日の原因がある。
ギリシャの財政破綻は官僚たちによる国家財政の放漫財政規律にある。国民の人口比に対して多過ぎる公務員と高額な年金が改革されない限り、いかにギリシヤ国債を買い支えようと破綻を先送りにしているだけだ。
それは日本についてもいえるだろう。歳出削減努力が全く見られない現状で消費増税しても何にもならない。毎年膨らみ続ける一般会計予算を見て、国民の何%が「財務省をはじめ官僚たちも努力している」と思っているだろうか。
日本も最悪の場合「財政破綻」を選択すべきなのかもしれないと、国民は覚悟すべきだ。それもこれも官僚を使いこなさずして、官僚の御用聞きになり下がった政治家たちの責任だ。