一流は政治を語り、二流は政局を語る。そして三流の政治家は選挙を語る。
自民党の石原幹事長は国政を語らずに「 20日、北海道旭川市で講演し、消費増税関連法案の今国会採決が見送りとなった場合は「野党として重大な決意を持って対処する」と内閣不信任決議案や首相問責決議案の提出を示唆し、野田佳彦首相をけん制した」(以上jijicom引用)という。
野党第一党の幹事長が政局を語り野田氏が小沢氏と会談することに異を唱えるのは他党への内所う干渉とでもいうべきものでしかない。この国の政治家は揃いも揃って政治を語らず政局の行く末を評論家よろしく予想して見せるだけのようだ。
政治を語るなら国民生活をいかにして良くするのか、小泉政権下で貧富の差が広がり年間3万人を超える自殺者を記録するようになった自民党政権の何を反省し、国民のために何を成すべきか政策を語らなければならない。
菅氏も地方への講演先で「橋下氏のブームは一時的だ」と評したようだ。出掛けた先で何を言おうと自由だが、菅政権下で後退に後退を重ねた2009民主党マニフェストに関して、なにはともあれ有権者に謝らなければならない。それなくして菅氏は何も語れないはずだ。政権の座に着くや、発狂したかのように「消費税10%」と喚いて、直後の参議院選挙で民主党を惨敗に導いた。その因果関係を失念して、菅氏の何が始まるというのだろうか。
政治家が政治を語らず、幇間評論家のように政局を語り、挙句の果てに橋下氏のブームについて評論して見せるとは。この国の政治家は揃いも揃って愚劣そのものだ。国民は貧困生活に困窮しているというのに、特権階級の政治家諸兄は能天気そのものだ。
財務省がこの国の財政が破綻すると野田氏や谷垣氏を「消費増税」にけしたてているが、依然として日本国債は世界で最低の利率だし、円高は78円台に入ろうとしている。そこの乖離を財務省ではなく、御用評論家ではなく、マトモな経済学者に教えを請う方が、地方で怪気炎を上げているよりも余程国民のためになると思うのだが。