NHKのバカげた年金議論。

 雨の降る黄金週間中日に立ち寄った所でNHKテレビが点いていた。またしてもプロパガンダを垂れ流しているのかと視聴していたら、果たしてその通りだった。


 尤もらしい顔をした数人の「専門家」が財務省と厚労省が宣伝している「現在は現役3人で1人の老人を支えているが、50年後は現役1人で1人の老人を支えている」との議論に堂々巡りをしていた。


 


 現行の人口ピラミッドの問題は既に数十年も前から分かっていたことだ。しかし50年後の人口ピラミッドは予測を変えることが出来る。つまり現在の出産年齢にある人たちが安心して産み育てられる仕組みを作り、国家が手当てを保障することによって特殊出生率を2.01を超える線にまで努力すれば良いだけだ。決して夢物語を話しているのではない、民主党が子供手当の政策手本とした本家本元の仏国は2.01にまで特殊出生率を改善した。これで仏国の少子化は止まったことになる。


 


 日本ではNHKを含めてすべての大手マスコミが民主党の掲げた子供手当を「ばら撒きだ」と批判して潰してしまった。


 そして果てしない「カネが足らないゾ」と議論している年金は莫大な不平等を放置したまま、現行給付水準をいかにして維持するかを話しているに過ぎない。


 社会保障というのならその原則的な理念は「公平・平等」であるはずだ。たとえば医療保険は多く保険金を支払っている人は自動的に高額な医療と薬品を享受できるようになっていない。差額ベッド代を支払わなければ個室に入ることも出来ない。しかし年金保険は多く支払った人には多くの年金を支給している。年金だけは社会保障ではなく、「給付予定型保険料」とでもいうべき仕組みになっている。


 


 税も多く支払った人が自動的により恵まれた行政サービスを受けるようにはなっていない。高額な所得税を支払って来た人は定年後のハローワークで特別な窓口に並ぶ権利が付与され、そこでは特別に優遇された職が世話される、という仕組みになっていない。ただ高給官僚だけが定年後ハローワークに並ばないで、政府内に用意された特別なハローワークの世話で高額にして暇な職場に就職できる仕組みになっている。それが既得権でなくして何だろうか。


 


 結論として何がいいたいのか。年金や共済が「社会保障」であれば誰もが「公平にして・平等な」年金給付を受けるのが原則だということを徹底することだ。それなら年金世代はすべて月額一人当たり十万円程度の年金を受け取ることにすれば年金会計は破綻しない。そして老人への生活保護はすべて停止することだ。


 生活保護とは現役世代の生活困窮者に限定された制度にすることだ。老人は年金で暮らすことに原則としてすれば良いのであって、より多くの年金が欲しい人は個人で民間企業の年金保険に加入して掛金を掛ければ良い。その会社が破綻したならすべて個人責任で対処することだ。


 


 現行の年金制度をいじくりまわして、いつまでも政治がガタガタ議論し続けるのを官僚たちは願っている。その方が官僚たちにとって都合が良いからだ。官僚たちは本気で年金を改革しようとは思っていない。そして願わくば国民が貧富の両極に割れて世論が対立し、いつまでも結論が出ないまま政治が混乱して欲しい。いつまでも解決しないのは政治家の無能だと批判されている限り官僚たちは安泰だ。少なくともその間、官僚たちの恵まれた共済年金は存続し続ける。


 根源的な改革とは、社会保障で贅沢しよう、という考えを捨てることだ。他の税や医療保険などでは「応能負担」が徹底されているのに、年金だけが「給付比例型保険料」となっているあり方を問題にしなければならない。これまで高額な給付を享受していた人たちや高額所得者には受け入れ難く、耐え難いかもしれないが、社会保障とはそもそもそういうものだ。年金議論が社会保障の原理・原則に戻らなければならない時期に到っている。こうした議論が喚起されることを望む。



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