産経よ、お前もか。

 昨日の読売新聞に続いて、産経新聞も『主張』で検審会の審査要請を森氏たちが140人の国会議員の署名を添えて衆・参議長へ提出したのを「政治介入」だと批判している。


 その論拠としているのは検察審査会の委員に選ばれた「市民」が自由に議論して審査するために「秘密会」としているのに反するからだとしている。


 


 何か勘違いしていないだろうか。裁判員制度に基づく「一般市民」から選ばれた裁判員も「秘密会」で判決に関して協議する。しかし、かれらは公判で素面を晒し、判決を下した後には記者会見までする。それに反して、検察審査会では秘密会と称する審査会議が何月何日の何時から何時まで開かれ、何回目に検察から検事が説明に出席し、何回目の審査会議に補助弁護士が出席し、そして都合何回審査会議が開かれ、どのような経過から結論を導いたのか、全くの秘密になっている。そんな審査会があって堪ったものではない。


 


 秘密会とは会議そのものを秘密とするもので、裁判のように傍聴席を設けて公開の場で行わないだけのことだ。審査会議の議事録はおろか、会議の開かれた場所や日時、出席者の名前と年齢、といった審査会議が実際に開かれたことを証明する資料までも秘密とするのなら、そもそもそうした審査会議は開かれなかったと断定するしかない。この国の税で賄われる機関で何があったかを国民が一切知らされないとは、あり得ないことだ。


 


 しかし現実にあり得ないことが公然と行われている場合、主権者たる国民の代表者の国会議員には「国政調査権」が付与されている。戦前の軍部の暴走を許した苦々しい経験から、この国のいかなる機関にもブラックボックスを設けてはならない、とする反省の上に立った「国政調査権」だ。


 その国政調査権を振り回して検察官や補助弁護士や検察審査会委員を国会へ喚問して調査する、というのではなく、森氏たちが衆・参議長に要請したのは法務委員会に「秘密会」を設置して検察審査会を調査してほしい、ということに過ぎない。これが高圧的で国会議員による司法当局への政治介入に相当するのだろうか。


 


 バカバカしい論評を紙面に掲載するのなら、反対に日本の大手マスコミ対して言いたいことが山ほどある。あなた方は小沢氏に関して3年も嵐のような「推測記事」を掲載し続け、「政治とカネ」なる実態不明なスローガンを毎日のように全国紙に掲載し、テレビのMCに連呼させた。そのことによって小沢氏が西松から巨額な賄賂を受け取り「天の声」を発したと国民に刷り込み、水谷建設では御丁寧に「再現ビデオ」までテレビで放映した。一連の小沢氏の「陸山会事件」に客観的事実が寸分ほどもあっただろうか、そのことは元秘書たちや小沢氏の公判で明確に否定されている。


 


 3年に渡って不確かな検察情報を拡散し続け「政治とカネ」なるプロパガンダを連呼して小沢氏の人格破壊を徹底して行い、憲法に定められている「基本的人権」を踏み躙った『犯罪』に対して、いかなる弁明をするつもりだろうか。いかなる謝罪をするつもりだろうか。そして報道機関による政治介入に対してどのようなケリを付けるつもりなのだろうか。


 森氏たち主権者国民の代表者たる国会議員の検察審査会の調査要請の何処が司法への介入になるのか。戦前に軍部に協力した悪しき大手マスコミは何ら反省せずに戦後はGHQの走狗となって日本の文化と誇りを徹底して破壊し「米を食うから日本人はだめだ、パンを食べよう」と今の国民が聞けば悪い冗談としか思えない文言を、当時の小学校教師たちや文化人と称する連中は大きな顔をして発言し、それを大手マスコミは拡散していた。


 それと小沢氏に関する「思考停止した徹底批判」は寸分とも違わないだろう。全国紙の一社だけでもこの三年間のある一時期に立ち止まって「陸山会事件」の実態は何だろうか、と国民に呼びかけた大手マスコミがあっただろうか。この不気味な日本の大手マスコミの「陸残会事件」に対する同一性こそ根深い病理の根源だ。何度も書いたことだが、現在の「報道の自由」は報道する機関の自由であって、国民の知る権利にこたえるための自由な報道ではない。その原因が「記者クラブ゛制度」にあるとしたら、直ちに廃止すべきなのは論を俟たない。


 


 何度でも繰り返す。この国のあらゆる機関にブラックボックスを設けてはならない。国民が第三者による検証を経て、知る権利をすべての機関に対して保障しなければならない。それが民主主義の大前提だ。知らないことがあって、国民を目隠しにしたまま『選挙で信を問え』と大手マスコミが尤もらしく政局を煽っても、信を問うべき中身が大手マスコミのプロパガンダに過ぎなければ、戦前の軍部暴走と何処が違うのだろうか。


 今、国民は検察と裁判所と大手マスコミの暴走を目撃している。小沢氏に対する人格破壊活動が検察と裁判所し大手マスコミの暴走でなくして何だろうか。その「陸山会事件」をテコにした暴走の一つの証拠が検察審査会の検証によって明らかになるだろう。そうなることが怖いから読売に続いて産経も森氏たちの行動を批判しているのだろう。余り保身に走るみっともない姿を晒さないことだ、潔く謝罪して一連の検察や最高裁が仕出かした「陸山会事件」の事実を暴いてはどうだろうか。



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