政治を政局にしているのは幇間評論家たちだ。

 前夜の民主党本部で強引に前原氏が消費増税の党内議論を打ち切って、増税で執行部一任を取り付けたとしているようだ。


 果たして民主党は党内民主主義の手続きを尊重する政党なのか、国民に目の前で演じている「消費増税」議論は何なのか、それこそ民主党執行部は国民に説明する責任があるのではないだろうか。


 


 いうまでもなく、現行日本の政治体制は代表民主主義制度だ。すべての国民が国会で意見を言うには数が巨大に過ぎるため、代表を選挙で選んで国会で「国民の代表者」がこの国の政治を執行している。


 


 だから、政治家たちは選挙区の国民・有権者を代表して政治の議論に反映させなければならない。その国会議論の前段階として政権政党の政治家たちが「消費増税」について話し合った。しかし結論として合致点を見出さないまま執行部が打ち切ったとしたら「代表民主主義の原則」に反するのではないだろうか。


 


 安易に政治家を「消費増税」賛成派、中間派、反対派に識別して政争を演じているに過ぎないと穿った論評をしている評論家たちは政治を政局に矮小化して国民の目を「消費増税」の本質からそらそうとしていると思えてならない。


 つまり民主党の国会議員を野田主流派と小沢反主流派とに分類して、数を足したり引いたりしてゲームのように政局の読みを競っているようだ。そして国民もそのゲームに熱中していると勘違いしているようだ。


 


 実は、国民はウンザリしているのだ。政局ごっこの政治ではなく、国民の生活が第一の政治を熱望しているのに、政治家たちは「数合わせ」のお山の大将を担いで遊んでいると幇間評論家たちが政局読み解いて悦に入っているのにウンザリしているのだ。


 幇間評論家たちは「消費増税」を政局に矮小化することに懸命になっている。「消費増税」の本質を国民・有権者に見抜かれてはならないからだ。


 


 幇間評論家たちは4月26日の判決で小沢氏が無罪となり政局に絡んでくる布石を打っているのだ、と今回の民主党の杜撰な党内手続きを小沢氏絡みの政局へと矮小化して国民の興味を政局ごっこへ向けようとしている。しかし、検察による捏造された「陸山会事件」さえなければ小沢氏が当然総理大臣になっていたのだ。小沢総理大臣誕生を阻んだ勢力が小沢氏の影響力を「政局ごっこ」に矮小化して「政治を小沢氏が引っ掻き回している」との印象だけを国民・有権者に与えれば良いだけなのだ。


 


 つまり、消費増税を政局化し、小沢氏への国策捜査という飛んでもない民主主義の破壊という事実までも「政治ごっこ」に矮小化して見せようとしているに過ぎない。だからそうした評論家たちを幇間(たいこもち)だと唾棄するのだ。


 では誰の幇間なのか。言うまでもなく官僚たち、とりわけ財務官僚の幇間に過ぎない。この時期に「消費増税」の議論をすべき必然性はそれほど高くない。日本国債利率はユーロよりも米国債よりも低い利率を保ったままだ。暴落して破綻する前兆すらないのに、財務官僚はオオカミ少年をここ十年以上も演じてきた。その財務省の描いたシナリオに乗って幇間評論家は「消費増税」の本質を政局化して。国民の目から隠しているに過ぎない。


 


 当初は「税と社会保障の一体改革」と謳っていた野田政権は突如として税と社会保障議論を分離し、今は社会保障議論は終息したかのように聞こえてこない。野田政権お得意の『マニフェスト破り』に基づいて議論の入り口として「税と社会保障の一体改革」というスローガンを利用して、幇間評論家たちにも『社会保障は持たないから増税だ』と増税を煽り、消費税増税による社会保障の原資とする議論に消費税の性質から社会保障の原資たる整合性がないという不都合さが表面化しそうになるや、お得意の「政局ごっこ」にすり替えて真面目な税目議論を封じてしまった。


 


 さらに言うに事欠いて「小沢氏が会議に出席しないで、外野で騒ぐのは不謹慎だ」と大手マスコミですら小沢悪人説の流布に余念がない。しかし党員資格停止処分に処したのは党執行部で、資格停止処分にされた者は特別の許しがない限り会議に出席することは出来ない、と民主党規則に定めてある。


 つまり小沢氏は党員資格停止処分により会議に出席できないにも拘らず、会議に出て発言しないのは問題だ、と非難する大手マスコミや幇間評論家の方が問題ではないだろうか。


 


 余りに不真面目なこの国の政治評論家たちによってあらゆる議論が政治ごっこに矮小化され、国民・有権者が国会では政局ごっこばかり演じている、政治家の有象無象はバカの集まりだ、と絶望するのを待っている。そして小沢氏が政局ごっこの中心だ、と未だに小沢氏を悪役に仕立て上げようと懸命になっている。それこそ官僚の幇間たる所以だ。この国の政治家が今なすべき重大な政治課題は何なのか、今すぐ解決すべき政治問題は何なのか、国民は知っている。それを必死に誤魔化そうとしているのがテレビに登場する幇間評論家たちや幇間コメンテータたちだ。



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