官僚と戦わない政治家とは。

  日本の閉塞感と虚無感は傲慢にして非効率な官僚制度の放つ腐臭そのものだ。政治家が切り込むべきは官僚たちが手にしている利権構造であって、国民のすべての懐を「消費増税」で狙うことではない。


 


 大半が民間企業の一般管理部門に過ぎない官僚たちの仕事がIT化により素晴らしく合理化されているはずだが、公務員定数が劇的に削減されたとは寡聞にして知らない。なぜ公務員定数が議論の俎上に上がらないのか、国会議員たちの怠慢を疑う。


 


 会計検査院なる官庁が官僚組織の無駄や違法を検査しているのだが、毎年170億円もの予算を投じて帳簿だけを見ているのなら無用な組織だといわざるを得ない。会計検査院の年間予算の1/10で民間の監査法人数社に監査委託すれば組織や人員の無駄までもきっちりと指摘するだろう。そもそも官僚による身内の監査など茶番でしかないのだ。


 


 170億円といえば4万人程度の市の年間一般会計予算に匹敵する。それほどの巨費を投じて官僚組織や漫然とした仕事ぶりを指摘して来なかったのには怠慢そのものだ。証拠として挙げよといわれれば原子力委員会や原子力安全保安院の仕事振りが国民の記憶に新しいだろう。それらの組織は原子力行政の基幹にどっしりと存在していたはずだが、実際に放射能事故が起こると当事者能力は微塵もないことが露呈した。文科省に到ってはSPEEDI情報を隠蔽して地域住民を被爆させた。それを指摘しない検査院は存在させる必要がない。


 


 八ッ場ダムは半世紀もかけて4000億円もの巨費を投じてまだ本体工事はこれからだという。その八ッ場ダムの目的は「治水」と「飲料水」の確保だという。この半世紀の間に流域で甚大な洪水が繰り返され、首都圏の住民が度々断水と節水に見舞われているのだろうか。そうでないとしたらダムの必要性はないと結論が出ている。それを延々と続けるのは官僚たちの利権構造の為せる業以外の何物でもない。


 


 民主党は羊頭狗肉政権だと非難したことがあったが、現在の民主党政権は羊頭狗肉政権ですらない。羊頭狗肉ならいずれにせよ『肉』を売るのだが、2009マニフェストで高速道路無料化や子供手当の政府支出をするはずだったものが、増税により国民の痩せ細った肉をさらに削ぎ落すのだ。直接支給による『肉』ではなく、増税というデフレ政策を断行する民主党政権は2009マニフェストを反故にしただけではなく、国民経済を破壊するものだ。


 


 小沢氏の勉強会に参集した109人だけでなく、国民に誓った2009マニフェストにより官僚たちと戦う戦列に、民主党国会議員が一人でも多く財務省の洗脳から目覚めて参加されることを願うしかない。



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