今頃になって、何を呑気なことを言っている。

 震災・津波と福一原発事故放射能漏れと、未曽有の災害に見舞われて早くも10ヶ月も経って、野田氏は被災地の復興に「産業復興、雇用の創出なくしては福島の再生はあり得ない」と3度目の福島視察で言ったという。余りにも時間がかかり過ぎた、何という怠慢ぶりだろうか。人は10ヶ月も職を断たれれば誰でも暮らしに困窮する。生きるために職を求めて別の土地へ移っても仕方ないだろう。被災地を再生するためには何よりも産業が以前のように復興しなければならない。


 


 逸早く必要なのは被災地の産業再生だ。そのことを震災直後からこのブログで何度も書いてきた。2重ローンや産業復興資金に対して超法規的な措置を講じる「経済特区」の指定と「迅速な資金供与」を被災地へ日銀引き受けによる円の増刷で対処すべきと、何度も提言してきた。円の独歩高に対処するには為替介入ではヘッジファンドを利するだけで、国際的な投機資金の制限を行う為替制度改革がない限り、円高に対処できない。最も有効な円高対策の手段は円そのものの国内マネーサプライを増やすことだ。つまり被災地へ復興資金として円を放出することだった。未曽有の事態に対処するために、しかし官僚たちは従来の手段を講じて、今後も官僚お得意の制度事業で対処しようとしている。


 


 野田氏は凡庸な首相だと評価せざるを得ない。この緊急時にありきたりの感想を述べてさらに時間をかけようとしている。2月に復興庁を作ってそれから本格始動しようとするとは何とも間抜けだ。その間に官房長官は国会解散をやるだとか、幹事長は消費増与野党税幹事長会議をやるだとか、仙谷氏は総選挙に向けて新マニフェスト作りを始めるだとか、能天気な政治家たちのご都合主義によってこの国の政治は機能不全に陥っている。


 政治とは何のためにあるのか。国家と国民のために税の使い方を決めるためにある。断じて官僚たちのためにあるのではなく、ましてや政治家たちの御都合のためにあるのでもない。この基本的な中学生でも知っている政治のあり方をここで書かなければならない情けなさが、野田氏には分かるだろうか。



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