人口激減はすべてにわたって良くない。

 江戸時代、日本の人口は3000万人ほどで推移していた。内需のみの経済で国内生産穀物のみで養える人口がおそらく3000万人ということなのだろう。明治以降人口は増え続け、昭和初年に6000万人と倍増し昭和42年に1億人を超えた。


 経済規模は人の経済活動によって決まる。その基礎となる人口が減少して経済規模の拡大を維持することはかなり困難だろう。


 


 的外れな評論家が工業生産をあらゆる面でロボット化すれば人口減社会に対応できる、だとか、そもそもこの国に12000万人は多過ぎるのだから人口減少は望ましいと発言している。


 いかに生産現場をロボット化しようとロボットがレストランで食事したり車を買うわけではない。経済規模の半分は個人消費だ。その大きな部分が半減して社会を現状のまま維持するのは困難だと容易に想像がつくだろう。


 


 たとえば高速道路網をいかに地方へ延ばしてももはや必要とする人そのものがいなくなる可能性が高い。なぜなら政府は自治体機能を中心地へ集約するように方針を決めた。つまり平成の大合併を促進した真意はそこにあったとみるべきだろう。地方の小さな村や町の自治体機能を地方都市へ奪って、最後の止めに病院や図書館や行政窓口などの行政機能を集約化すれば周辺町村に人は住めなくなる。そうすれば「行政機能」は効率化し都市機能が向上するわけだ。


 


 それが果たして望ましい社会だろうか。あるべき地方の伝統社会や伝統文化や伝統遺跡がものの見事に破壊され廃れていく未来がこの国にとって望ましい未来だろうか。あなたの祖先の墓が守る人がいなくなり1ヶ所に捨てられる石の一クレになることが、望ましい未来だろうか。


 子供手当は必要だと、何度このブログに書いたことだろうか。2009民主党マニフェストがお手本としたフランスはついに特殊出生率2.00を超えるまで少子化を克服した。日本はこのまま行けば2060年には人口が8000万人台になるという。


 


 退職した年寄にはそれほど高額な手当ては必要ない。せいぜい生活保護費程度の一律年金で良いだろう。それ以上欲しい人は働けば良い。個人的に保険会社の個人年金保険に入れば良い。そうした余剰となる年金部分を未来への投資として子供手当に充てることが必要だ。


 


 国の支給する年金では贅沢な暮しはできないが、安定的な未来が見えれば若者たちは安心して子供をつくり育てるだろう。現役時代に高額年俸を得ていた者が引き続き年金でも優遇されるのは格差を死ぬまで維持することではないだろうか。それが国の保証する社会保障であって良いだろうか。高額年俸所得者の発想でしかない現行年金制度に心の底から怒りを覚える。


 


 生活保護を貰える者はまだしも、地方の先祖伝来の山持ちや畑持ちはスズメの涙ほどの国民年金しか貰えなくても生活保護の対象にならない。つまり生活保護者以下の暮らしを強いられている。彼らが山間僻地の山を守り田畑を守り、ついに力尽きた時、行政は合併により彼らから遠くへ去り、生活保護制度も冷たく突き放す。「家屋敷からすべての財産を処分してから来てください」と。


 


 この国は大切な所でタガが緩んでしまったようだ。政策決定機関の官邸で行われる党・政府三役会議も議事録がないことが判明した。それに対して政治家には「公文書管理法は適用されないから議事録がなくても良い」と幹事長は強弁した。この程度の認識しかない連中がエラッソーな顔をして政治をやっている。議員は公務員特別職であり、官邸は公的機関であって町の居酒屋ではない。すべからく公的機関の会議室には録画装置を設置してすべて自動的にHDDに記録することだ。それぐらいの緊張感を持って会議しなくて大金を国民から頂戴している政治家として能天気な発言をしていては認識を欠くといわれても仕方ないだろう。


 


 政策の優先順位を真剣に検討し、身の丈に合った行政支出を確立すべきだ。姑息な屁理屈を付けた歳出に対して毅然と切れる政治家こそ必要だ。



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