会計検査院の監査能力。

 共同通信社は1/19日に次のように報じた。<<2010年度末時点で国の特別会計(特会)にある積立金のうち、29の資金(残高約172兆円)を会計検査院が調べたところ、18資金(同142兆円)は必要な規模が具体的に示されていないため、残高が適正かどうかを判断できない状態にあることが19日、分かった。検査院が同日、調査を要請した参院に報告した。検査院は「積立額が過大なら、一般会計への繰り入れを検討できる。説明責任が果たされていない」と指摘した。>>


 


 特会の積立金が過大なのか過大でないのか、会計検査院で判断できなかったという。本来特会であろうとなかろうと、原資が国民の負担金や分担金なら特会で積立金を管理すべきでなく、国庫に納入すべきではないだろうか。民間企業で国のように企業の会計とは別に特会が存在すれば、監査法人から指摘され解消するように改善を求められる。それが国ならなぜ認められるのか理解に苦しむ。


 


 それも半端な金額ではない。国家財政が破綻の危機に瀕していると大手マスコミが騒ぐ割に29もの特会で172兆円もの積立金があるとは驚きだ。どのような権限で官僚たちは自分たちの財布を勝手に持っているのだろうか。国会議員はそれらの特会をすべて取り上げて国で一元管理すべく法改正をすべきだ。企業会計原則に基づく世界基準の会計常識でいえば特会の存在そのものが脱法的だ。


 


 官僚たちの感覚はマヒしているとしか思えない。この国はいつまで公的会計に杜撰な単式簿記の歳入・歳出方式を続けるつもりだろうか。会計検査院はチマチマした歳出を突っつくよりも、そこから指摘すべきではないだろうか。いや官僚による会計検査そのものが既にまやかしに等しいといわなければならないだろう。



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