社会保障費に充当するために「消費税増税」というのは正しいのか。

  徴税権を行使する政府の役割の一つとして「富の再配分」がある。富める者により多く負担してもらって、富めない者や生活困窮者に支援の手を差し伸べる制度だ。


 政府や大マスコミ主導によって消費税増税が謳われているが、それの増税により年々増大する社会保障費に充当するものだから良いではないか、という消費税増税を正当化する議論がある。一見もっともなようで、国民の半分近くが「理解を示している」と世論調査も政府を後押ししているようだ。


 


 医療費などは低所得者が定額の最低負担金を支払っている場合も、高額所得者が莫大な保険金を支払っていても医療保険によって恩恵に浴する程度は平等だ。高額所得者が特別な病室に入る場合は別途料金が必要となり、高額な保険料を支払っていてもそのことにより差別はない。


 それに対して年金は年金掛け金が多いほど多くの年金を手にする。ただ国民年金は「基礎年金」に貶められて、満額支給ですらそれだけでは暮らせない「生活保護費」以下の年金額でしかない。だから暮らせる年金とか現役時代の5割補償だとかいうのは厚生年金だけの話に特化されている。どういうわけか共済年金に関して現役時代の5割支給を死守するとかいった議論は聞こえてこない。つまり議論するまでもなく共済年金は「恵まれ」ているのだろう。


 


 消費税は逆進性が高く、低所得者ほど実質的な負担割合が大きいとされている。その税額を社会保障費に充当するというのなら、暮らせない国民年金「基礎年金」の底上げにこそ充当すべきだろう。その結果として現役時代の保険料額に比例する部分の割合が低下するのもやむを得ないだろう。だから厚生・共済年金とも現役時代の50%支給を死守するという議論は止めるべきだ。


 富の再配分という税の機能を考えても、消費税は反している。富める者からより多く徴収して富めない者に配分する再配分機能をもう一度じっくりと国民的な議論を喚起してから政府は消費税増税に向かうべきだろう。



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