東電の「自前発送電」転換も不十分だ。
東電が「自前発送電」を転換するという。放射能汚染事故の損害賠償費捻出のために、火力発電所の新規着工を見送り既存の火力発電所を売却するという。それにより自前の設備で行ってきた地域独占の発送電体制に風穴が開くという。
しかし問題はまだ残る。売却後は電力卸売業者から必要な電力を東電が入札によって購入するという。一見もっともなようだが、それなら電力卸売業者は東電が必要とする時にだけ発電することになる。事業者としては100%稼働の時が最大効率なのはいうまでもない。東電が買主なら東電の設備を100%稼働としておくのは火を見るよりも明らかだ。
なぜ事前入札制度を採用しないのだろうか。この一年間はワット当たり何円で売電する、と入札して安い順に買い入れる制度た。あるいは消費者が選択して少々高くても「自然発電」を選べる、というようにする制度だ。そうした英知を結集すべきだろう。まだ電力改革は何も始まっていない。