電気事業法を見直せ。
地域独占と世界でも高い電気料を利用者が負担する体制を戦後一貫して行ってきた結果がこの有様だ。原発を停止したから5%節電を利用者に要請する、というのは電力の安定供給という最大にして不可欠な電力事業者に課せられた義務を放棄したことに他ならない。つまり独占的な権益を与えることが゛その業界をいかに腐らせてきたかが如実に露呈されたことに他ならないのだ。
九州電力の6基ある原発がすべて止まったのだから仕方ないではないか、というのなら原発すべてが止まる事態を想定していなかったことになる。それでなくとも原発の稼働率は極めて低く、すべてが停止することも想定していなければならなかったはずだ。
既に地域独占を維持する合理性は何もない。電力会社は自分たちは高給を手にし数多の天下り先を用意し、それらのコストを利用者の電気料金に上乗せしていた。電力事業にも競争原理を適用すべきで、政府は発・送電分離による電力事業に民間他社から対等な立場で参入できる道を拓かなければならない。
経産省に丸投げしていた原発の安全管理がいかに杜撰なものだったか、原発事故に際して東電社員に当事者能力が皆無だったことも明らかになっている。政府や経産省に属する原子力委員会や原子力安全保安院などが原発事故では何も為さずただ事態の推移を見守りつつ「直ちに健康被害はない」と繰り返していたに過ぎなかった。彼らはどのような顔をして高給を手にし、長年にわたってその地位にいたのだろうか。この件を有耶無耶にすることは許されず、大手マスコミが殆ど責任を追求しないのも同じ穴の貉だからかと思わざるを得ない。
内閣府や経産省で原発の専門家として大きな顔をしてふんぞり返っていた連中が、実は中身が何もない無能な集団だったとバレた。せめて彼らの最後の仕事として事故調査委員会へ出向いて潔く事実経過を克明に国民の前に明らかにして、格好だけ付けた無能な官僚の存在を摘発する手掛かりを残しておくことだ。自分は大過なく責任を先送りして高額な報酬と退職金を手にして悠々と天下りさえすれば良い、とするこの国に巣食うシロアリ官僚をドシドシ摘発しなければいかに増税しようと底の抜けたバケツに水は溜まらない。