順序が逆では何も進まない。

  普通の政治家ならこの経済・景気の環境下で国民に増税と負担増を求めないものだ。増税の議論を政治家が行えば景気マインドがさらに冷え込み、それでなくても景気回復の重い足取りがさらに重くなる。並みの知識を有する経済評論家ならそのように判断して、まずは歳出削減努力をすべく助言するものだ。実際に歳入が減少して事業遂行が難しくなれば官僚たちにも財政の厳しさが良く理解できて、自分たちの俸給を削減されてはかなわないと、行政改革マインドが働くものだ。


 


 しかし、それは普通の政治家と普通の官僚たちがいる国の話だ。この国は無責任極まる官僚たちとポピュリズムの権化のような政治家が政治を行ってきた。官僚たちは歳入が足りなくなるとまず政治家を「公共事業は造った道路や橋やハコモノは後々の国民も使うから、そのための借金はいわば建設国債であって赤字国債ではない」という屁理屈を言って政治家と国民を「借金怖くない」と大手マスコミを動員して宣伝した。しかしいつの間にか建設国債は微小になり、赤字国債そのものが積み上がってきた。


 


 それでも官僚たちは自分たちが借金をするわけでもなく、自分たちの俸給が削減されるわけでもないから、野放図に赤字国債を発行して借金の山を築いていった。いつかは国民が支払ってくれるだろうし、景気が良くなれば歳入も増えるはずだ、それまでは繋ぎ融資のようなものだ、との感覚で赤字国債を乱発してきた。


 


 ここに来て、余りに巨額になった赤字国債の山に恐怖を覚えた財務官僚は発狂したかのように政治家に「増税しなければこの国は破綻するゾ」と脅し始めた。破綻すればこの国の信用は地に堕ち、国際的な発言力も弱くなると政治家に使嗾したのだ。ついにポピュリズムの塊の政治家たちは「財政破綻」させた政治家になりたくない、との思いから財務官僚のシモベとなって増税と負担増に突っ走った。なにしろそれまで政権党としてしたたかな官僚たちと渡り合ってきた経験がないため、純情な彼らは面従腹背の官僚たちの敵ではなかった。


 


 増税が決まったから、今度は歳出削減だという。バカな政治家もいたものだ。カネが入って来ると分かってから支出を控える人がいるだろうか。


 なぜ官庁や官僚たちの監査だけでも民間監査法人による5年程度の持ち回りにしないのだろうか。それも政治家が新規監査法人を審査して決めれば良い。なぜ人事院を廃止して民間人による第三者委員会を設け、公務員のすべてに労働三法を与えて民間企業と同等に団体交渉をさせないのだろうか。警察官がストをして泥棒を捕まえなければ国民がクビにしろと騒ぐだろう。かつてのスト権ストのように。


 


 そうした根本的な仕組みを作り会計も誰もが公的会計のすべてを俯瞰できる企業会計に採用されている複式簿記にすべきだ。上場民間企業並みに監査法人の厳しい監査を義務付けても、監査法人に報酬を支払うのがその企業であるため、写真機企業の巨額損失隠しのような粉飾会計操作事件は後を絶たない。それが身内の官僚による監査で何某かの無駄遣いを指摘しても、それが氷山の一角であることは国民誰もが知っている。お手盛り人事課たる人事院は政治家による7.8%給与削減でも「憲法違反だ」と息巻いた。これほどまで官僚たちを増長させたのは何だろうか。主権在民の憲法精神は官僚たちの最も遵守すべき事柄ではなかったのだろうか。



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