荒涼としたこの国の政治風景。
政権交代が期待された直前に青天の霹靂として民主党代表小沢氏の元秘書が逮捕された。「陸山会事件」の始まりで、大手マスコミは新聞は勿論テレビや雑誌まであらゆるメディアを総動員して「政治とカネ」キャンペーンを張り、検察情報の垂れ流し(大手マスコミの当事者は垂れ流しではない「ウラ」を取って報じていると気色ばむが)て小沢氏が2009総選挙で勝利しても首相に就くのを必死で阻んだ。
結果として鳩山氏が代表となり、小沢氏は大手マスコミの破廉恥極まる検察による「疑惑捏造」報道に曝されて幹事長に退いた。この国の卑劣な官僚による国策捜査というよりも、この国の既得権益者たち壊し屋』小沢氏が政権に就いて政治権力を揮うのを恐れた。そして毒にも薬にもならない鳩山氏が政権に就くや「県外移設発言」の言質を捕えて徹底追及キャンペーンを暴風雨もかくあれとばかりに連日のように浴びせた。
馬鹿な評論家たちは「寝た子を起こした」と沖縄県民が一度は承知していた辺野古沖移設をひっくり返したと鳩山氏を責めるが、本当に辺野古沖移設が良いと思っているのだろうか。そもそも日本国内の米軍基地一つ満足に差配できない日本国首相とは何だろうか。独立国家日本として、米国の駐留を県民の意志よりも重視する官僚たちの存在とは何だろうか。彼らは日本国民の税により俸給を頂戴していながら、あたかも米国政府がご主人様のように仕えているとしか思えないのは私だけだろうか。
その後は菅氏と野田氏だが、彼らには論評に値すべき政治的業績すら見あたらない。官僚のシモベとして良く官僚に仕えて2009民主党マニフェストをことごとく反故にしてしまった。民主主義の終焉を日本国民は現実のこととして目の前に見ているのだが、大手マスコミにそうした危機感もなく「財政赤字だから増税も仕方ないジャン」と街頭インタビューで応える人たちばかりテレビに登場させている。この国のどうしようもない大手マスコミは小沢氏を捏造した疑惑で政治の表舞台から追放し、今また消費増税大賛成のキャンペーンを繰り広げている。
この国の危機は何処にあるのか、それは明白だ。桃太郎飴のようにどの大手マスコミも大本営発表を無批判に垂れ流すバカさ加減にあるといって良いだろう。国民に背を向けて官僚のための報道に協力し、一定方向に見事なまでに歩調を合わせる大手マスコミはすべて合併して一社になるしかないだろう。その程度のものでしかないと、2011年末を迎えて大慨嘆に肩を落とすしかない。