放射能を浴びても懲りない人たちだ。
産経新聞が本日付(12/23)紙面で東電料金値上げに対して「原発を利用して(値上げ幅の)圧縮を目指せ」との社説を掲げた。放射能汚染という甚大な被害を受けても、原発を継続するという社説を掲げるとは、産経新聞者とはまったく懲りない人たちの集団だと驚かざるを得ない。
たとえ原発を利用したところで、原発が料金引き下げに作用するのか疑わしい。既に福一原発の事後処理費用の負担だけで東電の存続は絶望的で、それを糊塗する「原発ムラ」の住人たちが政府管理に移行して命を永らえさせようとしている。それがこの国の電力事業にとって望ましいことなのか、既に世界でも飛び抜けて高い電気料金を負担している国民・国内企業に対してどのような説明をするつもりだろうか。
発・送電分離による電力自由化こそがこの国の電力事業のあり方だと、なぜ認識できないのだろうか。地域独占が何か良いことをもたらしてきただろうか。国民にとって地域独占の成果とは何だっただろうか。どんな果実を国民は得たのだろうか、結局のところ安全の騙りと無責任な放射能汚染だけではなかっただろうか。政府・首相が公表した「冷温停止状態にある」発言が実は何ら根拠のない、まだ溶解した核燃料はズブズブと核融合反応しているかもしれない、と国民は不安を払拭されていない。
産経新聞は産業と経済を重視するという社名なら、この国からアルミ精錬事業がすべて消えてなくなった現実をどのように説明するのだろうか。それでも高コスト地域独占電力事業を認めるのだろうか。競争なき事業は必ず高コストになるのは常識だ。行政の各種事業が高コストなのは既に周知の事実だ。それを改革すべき民主党政権も官僚たちの蜘蛛の巣に絡め取られてしまった。そこを適切に批判するのが大手マスコミの使命だったはずだ。官僚たちの後押しをして一体どうするつもりなのか、産経新聞社の釈明を聞きたいものだ。