この国の政治を歪めているのは誰だ。
民主主義国家なら選挙結果に表れた国民の意思を尊重して政治を行うのは当たり前のことだ。万が一にも選挙で表明された国民の意思が尊重されず、政治の場で国民の意思とは無関係な政策が実行されるなら、有権者総参加による選挙は有名無実な形式的な民主主義に成り果てるだろう。
国民の意思と現実の政治とが乖離する状況が民主主義の危機だというなら、この国の現状は未曾有の民主政治の危機ではないだろうか。
2009マニフェストを掲げた民主党が勝利したのは小沢氏の選挙戦術が功を奏したからではない。国民の願望が2009民主党マニフェストに具体的に列挙されていたからだ。しかし、それをも含めて「選挙戦術だ」というのなら欺瞞行為が選挙だといっているのに等しい。選挙で勝利した政権党は選挙で掲げたマニフェストの実現に向かって全力で邁進する義務を負っているのであって、政権を勝ち得たら何をやっても良いということではない。
しかしこの国は2009総選挙直前という時期に国策捜査を野党第一党だった当時の小沢代表に対して行い、大手マスコミも連日検察発表の情報をタレ流した。この国の政治を捻じ曲げたのは検察と大手マスコミだというのは歴然としている。
証拠を挙げろというのなら何万という証拠が直ちにあげられるだろう。それも客観的に活字として印刷された日刊新聞から週刊誌から月刊雑誌から、護送船団のようにどのテレビチャンネルでも同じような絵と御用評論家に成り下がったヤメ検たちの出演した報道番組のテープも何万時間分もあるはずだ。それらのすべてが動かぬ証拠で、登場するMCたちの最後っ屁のような小沢氏を貶めるコメント発言もゴマンとあるはずだ。
自分たちが何に加担して何をやっているのか、という自覚もないままバカな「政治とカネ」という発言を繰り返した愚かな人物の名前を挙げろというのなら何時でも具体的に挙げることができる。誰がどんな記事を書いて小沢氏の人権・人身攻撃をしたか具体的な証拠はある。
彼らはこの国の憲法を碌に読んでいないのか、判決確定以前どころか捜査途上から三人の秘書の犯罪は確定的であり小沢氏の関与も確定的だと、国民に「推認」されるどころか確定的に報じ続けたのだ。これが犯罪でなくてなんだろうか。それもこの国の国民の選挙で表明された意思を蔑にし、政治を捻じ曲げる甚大な影響を及ぼしたのだ。
取り返しのつかない重大な犯罪行為に手を染めたという自覚もないまま、小沢氏を口汚く評した連中は今日もテレビ画面に登場して大きな顔をしてニュースを読み、時事問題を評論している。恥知らずとはまさしく彼らのためにある。
民主党の政治家たちも小沢氏の党員資格停止処分をしているが、まともな判断力の欠片もない連中だといわざるを得ない。同じ政治家仲間なら有権者の付託を受けた政治家の権力が一度の任官試験にパスしただけの官僚権力よりも尊重されるべきだというのは常識のはずだ。それが小沢氏の手足を縛って動けなくし、迷走し遁走する民主党政権政治を繰り広げているアホらしさに気付かないのだろうか。
冷静に見る限りこの国の権力者は官僚のようだ。彼らが政治権力までも掌握して、総理大臣をはじめ閣僚を官僚のシモベに従えて、国民の意思とは無関係に官僚による官僚のための政治を繰り広げている。大手マスコミも官僚のシモベとなり官僚たちの広報紙となりテレビ局となり、大本営発表を国民に向かってタレ流している。彼らは国民の意思とは関係なく、この国を何処へ導こうとしているのだろうか。この国の政治を歪めている張本人は誰なのか、国民は目を凝らして実態を直視しなければならない。