カダフィ大佐の死がもたらした軟化なのか。

  5日間の日程で北朝鮮を訪れていた国連人道問題調整事務所(OCHA)のエイモス室長に対して21日に平壌で会談した北朝鮮ナンバー2の北朝鮮最高人民会議常任委員長キム・ヨンナム氏は米・韓に対して対話の用意があると話したという。


 北朝鮮は豪雨被害により食糧事情が悪化し、満足に配給が行き渡らない状態が慢性化し栄養失調で病院を訪れる子供の数が以前の1.5倍になっているという。


 


 しかし北朝鮮の軟化は以前から何度もあり「対話の果実」を手にすると再び態度を硬化することを繰り返してきた。その間に国民の多くが食糧難にあえぐのにもかかわらず着々と核武装しミサイル開発をしてきた。北朝鮮の指導者たちは自分たち幹部のための政策は遂行しても、国民全体のための政策は放擲してきた。そうした政府幹部が再び「会話の用意がある」と持ちかけた真意は何だろうか。


 


 かつて何度も食糧難で困窮する北朝鮮国民への日本などから緊急援助した人道的食料支援物資を「将軍様のご慈悲」だと偽って配給したように、今回も北朝鮮政府は国連の人道支援を金将軍の贈り物だといって国民を騙すのだろうか。そうしたプレゼントを引き出すために米・韓と対話の用意があるとキム・ヨンナム氏はエイモス室長にシグナルを送ったのだろうか。


 


 それともカダフィ大佐が政権から追われ、ついには虐殺された事実に衝撃を受けて北朝鮮首脳部が危機感を持ったのだろうか。「先軍政治」と称して軍部最優先の食糧支給を実施して、北朝鮮指導部は軍部の忠誠を保持しているようだが、その「先軍政治」すら国内食糧事情の悪化で軍部にすら満足に食料が行き渡らない状態だといわれている。仮に軍部が金政権を見限れば金一族もカダフィ大佐一族と同じ運命を辿りかねない。まさしく諺通りに「一将功なって万骨枯る」を地で行く北朝鮮だが、万骨は枯れる前に一将を倒しにかかるだろう。


 


 そもそも将軍様が崇められるのは外敵から国家を防衛し、国民に安寧な暮らしを約束するからに他ならない。しかし将軍様が外敵だと宣伝する韓国は脱北者の多くが逃げ込んで保護されていることから「外敵」ではないと北朝鮮国民にも知れ渡っているようだ。当然の理屈で韓国の後ろ盾の米国も北朝鮮国民の敵ではない。つまり将軍様だけの敵だと国民が覚醒すれば、北朝鮮から将軍様を排除すれば良いのだと気づくのは時間の問題だ。早晩、北朝鮮国民の敵は将軍様だったと北朝鮮国民は認識するだろう。


 


 将軍様は独裁政権の治世下で数々の残虐行為を国民に対して行ってきた。もはや将軍様が北朝鮮を民主国家へと舵を切ることは出来ないだろう。引き返せない段階まで、将軍様は国民を弾圧し、好き放題をやって来たのだ。将軍様も、しかしそのことは承知しているだろう。そろそろ潮時だと、カダフィ大佐のニュースに接して将軍様が悟ったことを願う。


 将軍様が生きながらえるためには受け容れてくれる国があればそこへ政治亡命することだ。破れかぶれになって核のボタンを押したところで自爆するだけだと知っているだろう。そこまで悟っての「対話の用意」だとキム・ヨンナム氏の真意を量りたい。それこそが2300万人北朝鮮国民の為である。



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