自民党の再生は有り得るのか。

  自民党内がガタガタしているという。原発政策一つとっても「原発再稼働」と「脱原発」と意見が割れているようだ。しかし些細な末梢的事由はどうでも良いことではないだろうか。放射能汚染一つ解決できないこの国では放置していてもすでに原発は立ち行かない事態に陥っている。それよりも根本的なこの国の問題をどのように考えるのか、の方が問題だ。


 


 自民党は民主党の「子供手当」をばら撒きだと批判した。それなら少子化対策をどのように考えているのだろうか。国家百年の計を政党は示さなければならない。同じように電気事業を現状のままでやろうとしているのか、それとも発・送電分離して発電事業の自由化を行うのか。官僚制度を現状のままで了とするのか、それとも抜本的に改革する案を持っているのか。


 


 そうした改革案のないまま、党内のイニシャティブを巡って対立しているのなら不毛なコップの中の争いに過ぎない。官僚たちの高笑いが聞こえてきそうだ。政権党初心者マークの民主党は財務省が籠絡してハンドリングしているし、元々官僚丸投げ政党だった自民党もコップの中で争っていれば官僚たちは安泰だ。


 


 政治家の劣化が著しい。「遠き高き理念」を示して国民を導こうとする指導者の姿が見えなくなった。かろうじて鳩山氏には「最低でも県外」で日本国首相として国内問題に指導力を発揮しようとしたが、米国の走狗に成り果てている外務・防衛官僚たちによってアッという間に潰されてしまった。


 


 2009民主党マニフェストは画期的だった。まず挙げられるのは直接支給とした各種政策だ。それがなぜ画期的かは何度も書いた。官僚たちの利権構造を打ち砕くモノだったからだ。そして高速道路無料化も国内経済活性化と物流コスト削減にどれほど資するか計り知れないし、同時に高速道路利権構造を根底から崩す策でもあった。歳入庁創設も画期的だった。それぞれの省庁が自分たちの財布を容易に手放さないと思ったが、政権交代以来議論の表にすら出て来ないのはそれほど抵抗が大きいという証だろう。そしてTPPに関しても農家の個別補償とセットの話だった。貿易立国を国是とするしか日本生残りの道がないのは明白だ。そのためには輸出産業を後押しし支援するのは当然のことだ。TPPが実施されれば安い農産品が押し寄せて国内農業が壊滅するかのような議論があるが、果たしてそうだろうか。かつて米作が冷害により不作だった年にタイ米を輸入したことがあったが国民の味覚に合わないとして大量に廃棄処分したではなかっただろうか。圧力団体に対して懇切丁寧に説明する政治家がいなくなり、官僚の利権擁護の論を拡散報道する大マスコミの世論操作のみが功を奏しているようだ。


 


 さて、自民党はどうなるのか。自前の政策を打ち出せるのだろうか。いやいや官僚の唆しに乗って民主党の子供手当や高速道路無料化などを潰した手前、官僚の掌で踊り続けるしかないだろう。独自の政策は皆無で、官僚の御用聞きと下請けに甘んじる政策なき政党として存在し続けるだけだろう。恰もこの国の民主主義の手続機関に堕した国会の民主的飾りとして。現に国会が閉会すると外遊に出かける国会議員の数の多さに憤慨しない国民は改革なぞ望まない国民だと、官僚たちのせせら笑いが聞こえてきそうだ。



このブログの人気の投稿

それでも「レジ袋追放」は必要か。

麻生財務相のバカさ加減。

無能・無策の安倍氏よ、退陣すべきではないか。

経団連の親中派は日本を滅ぼす売国奴だ。

福一原発をスーツで訪れた安倍氏の非常識。

全国知事会を欠席した知事は

安倍氏は新型コロナウィルスの何を「隠蔽」しているのか。

自殺した担当者の遺言(破棄したはずの改竄前の公文書)が出て来たゾ。

安倍ヨイショの亡国評論家たち。