年金会計総額と平均支給額をまず国民に開示してから議論を始めよう。

  個別的バラバラな数字を示して足らないから支給開始年齢を引き上げる、というのでは話にならない。そもそも年金は積立方式だった。1985年に現行の賦課方式に変更したのだが、その際にどのような議論がなされたのか、当時の政権与党の自民党の責任は重大だ。


 


 年金支給年齢を安易に引き上げるべきではない。それが許されるなら官僚たちはその場しのぎの嘘を重ねかねない。なぜならかつて公明党の厚労相は「百年安心年金」改革だといわなかっただろうか。その「百年安心年金」は嘘だったことになるが、なにも公明党の厚労相が嘘のスローガンを発明して言ったわけではなく、改革案の副題として官僚が考えた文言なのだろう。


 


 その場しのぎの弥縫策に国民はいつまで付き合えば良いのだろうか。しかも年金格差は放置されたまま「支給開始年齢」を引き上げるといっても、全面的に信じられない。なぜなら現行の65歳支給開始というのは基礎年金であって、基礎年金だけの1階建ての国民年金受給者は全額65歳にならなければ1円たりとも貰えないが、厚生年金や共済年金のように2階建て3階建てとなっているが、その2階部分や3階部分は60歳から支給開始を選択することも出来て、60歳から働かなくても生活設計ができるようになっている。この詐欺的格差はいったいなんだろうか。


 


 共済年金、つまり公務員に手厚い年金構造は直ちに見直すべきだ。その場合は年金会計の総額と今後の年金会計総額の推移予測を国民に開示して、議論を行って欲しい。単純化したそれぞれの年金の平均支給額すら開示しないで支給開始年齢の引き上げは論理的合理性を持ちえない、年金会計が持たないから払わない、という議論は少なくとも大人の議論ではない。端的に言えば無法者の居直りと少しも変わらないではないか。


 


 民間の保険事業を行う企業が業績が思わしくないという理由から、個人年金の支給開始年齢を勝手に引き上げることは許されない。必ず経営陣の何人かが経営責任を問われ法廷に引きずり出されて罪に問われ、有罪判決により刑務所に服役する。それに対して国民に犠牲を強いる年金制度の見直しは国民代表の政治家が立法権により執行することにより官僚の誰一人として罪に問われない。そして共済年金の手厚さはいささかも変わらない。この厚顔無恥な連中はいつになったら国民のために働く気になるのだろうか。



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