この時期の増税案とりまとめとは、民主党は財務省の下請け政党に成り果てたか。

 災害復興歳出に対応する財源が必要だ、というのはどういう根拠からだろうか。臨時の支出だからこれまでの歳出とは別枠だ、というのは一見理屈に合っているようにみえるが、よくよく考えればおかしいことだ。


 なにがおかしいのか。災害復興歳出は次世代に繰り越さないが、山のように積み重なっている国債残高は次世代にプレゼントしてもよいのだろうか。災害復興は別枠で財源が必要だが、これまで営々とやって来た一般会計の赤字国債発行は別枠ではなかった。


 


 つまり中央省庁の官僚たちが積み上げる予算は別枠でなく予算総額の半分以上も赤字であろうと国債発行で充足してきたが、災害復興は何が何でも財源を確保して10年償還にしたいというのだ。それがヘンな議論だと思わない人たちは財務省の屁理屈と大マスコミの刷り込みに正常な判断が出来なくなっているのだ。恰も、子供手当や高校無償化や高速道路無料化は財源なき無責任な「ばら撒き」だが、官僚たちが積み上げて策定した一般会計予算などの「制度事業」はばら撒きではない、という仕分けと同じ理屈ではないだろうか。どちらが国民経済と国民生活に実質的に有効で効果的かの検証もなく、官僚たちの拒否反応と大マスコミの「ばら撒き」批判の大合唱により潰えようとしているのと同じように。


 


  現在の天文学的な国債発行残高が積み重なる端緒となったのは国債でも赤字国債と建設国債と別なものがある、という官僚たちの屁理屈を大マスコミが国民に刷り込んだことだった。つまり道路や橋などは国民生活に必要な社会インフラで当然次世代にも受け継がれ使用される恒久的なものだから国債残として次世代にツケ回しても良いとする理屈だ。一見まともなようだが、しかし道路や橋などの公共事業には揮発油税という明快な「財源」があった。次世代にツケ回すまでもなく償還できるものでしかなかったが、財務省をはじめとして官僚たちは「建設国債」という文言を用いた。


 


 むしろ財源がなかったのは公共事業よりもその他の「制度事業」にあった。もっと厳密に言えばそれぞれの事業の中に潜り込ませた官僚たちの給与や天下り先への配慮ある手厚い「見積もり」にこそあった。それは勿論公共事業にも存在し、公共事業単価の民間事業単価との異常な乖離をなぜ国会議員をはじめとする政治家たちは問題にしないのだろうか。彼らがそうした事業を入札で落札している企業から献金を受けているからチェックできないというのなら献金ではなく収賄ではないだろうか。


 


 国会の予算委員会では相変わらず野党が政府与党の箸の上げ下ろしをあげつらうような議論を展開している。なぜ災害復興の大筋の指針なり、従前の都市計画地域指定の撤廃を伴う特例地区指定なりの議論を展開しないのだろうか。そうした「災害復興」に資する議論を進めると官僚たちの裁量権を狭めて天下り先の涵養を阻害するから遠慮しているのだろうかと勘繰りたくもなる。だから政治家は「小沢氏の喚問要求」という的外れな議論を予算委員会で行い、大マスコミも燥ぎ立てるようにそればかりを大きく報道しているのだろうか。


 


 デフレ下の増税は議論することにすら反対だ。災害復興は円の増刷で対応すべきだ。財源は円高対策にある。財務省は円高介入で35兆円もの赤字を作っているが、そうした失策は誰も批判しないしだれも責任を取らない。トレーダーが損失を出せば解任され失業する。財務省は無責任に効果のない円高介入を続けて赤字を幾ら積み重ねても責任を一向に取らない。いや、そもそも大マスコミはそうした為替管理会計という「特会」のことを殆ど報じて来なかった。官僚たちは「特会」の闇の中で国家を食い潰そうとしている。一日も早く公会計を歳入歳出の大福帳会計から総額主義の複式簿記会計に移行し、歳入庁創設による入金一元化を成し遂げなければ国民は全体像を見せられないで氷山の一角だけで議論し合っている馬鹿げた光景を、今後も大マスコミの官僚広報機関に成り下がった記者たちの記事や取材を全体像だと勘違いさせられたまま刷り込まれ、結果として官僚天国を容認し続けることになるのだ。災害復興財源の話をするのなら同じレベルで、各省庁や各制度事業へ紛れ込まされている官僚たちの給料総額と共済年金総額を取り纏め、官僚人件費等という項目にしてその財源から議論すべきではないだろうか。



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