おだてて木に登らせたブタを引きずり下ろすのは容易ではない。

 去年9月の民主党代表選挙で「首相をコロコロ替えるのは良くない」という理屈にもならない屁理屈を言って菅首相続投を後押ししたのは大手マスコミだ。まじめな政策論争を封じ、対立候補の小沢氏に対して不自然な検審会の「強制起訴」議決を代表選当日にさせてまで、検察・司法官僚と大手マスコミの度を越した「政治とカネ」プロパガンダ攻撃を繰り返して、菅氏を首相に仕立てあげたのではなかったか。結果として無能だが官僚丸投げの「使い易い」男だと思って首相を続投させたが、実のところ嫁コンプレックスにして権力欲丸出しの恥知らずな俗物に過ぎないと判明したのだ。


 


 その国の政治はその国の国民のレベルを超えない、といわれる。菅氏がこの国の国民のレベルなのかと思うと余りの低さに愕然とする。知能指数がというのではない、東京工大出だからそれなりの知識水準はお持ちなのだろう。菅氏がバカだというのは、人物の程度があまりに低いということだ。


 たとえば発電方式に自然エネルギーを大幅に取り入れる、というのならそれなりの仕組みを作らなければならない。現在の電力会社地域独占体制でサンシャイン計画が頓挫したことに鑑みれば、発電会社を自由化して新規参入を容易にする仕組みを作らなければならないのは明らかだ。それを現状の独占企業が全量買い取りにする、というのなら独占企業の発電システムを脅かすほど自然エネルギーが規模拡大するのは好ましくないと独占企業側が考えるのは自然の成り行きだ。彼らに主導権がある限り、天下り先やカネを餌に官僚を手懐けて「原子力ムラ」を構築したように、独占企業の利権を擁護するだろう。


 そうした簡明なことが判らないで「自然エネルギー」を打ち上げた菅氏を持ち上げた孫氏などは単なるバカで仕方ないが、分かっていて分からないふりをして現状を維持するのなら姑息といわざるを得ない。そして、そうした社会的な不適正な政策に対して警鐘を鳴らすのがマスコミの使命だが、官僚の下請けとなり飼い慣らされた犬はついに「ワンッ」とも吠えようとしない。


 


 菅氏の政権居座りの元凶は官僚と大手マスコミだ。菅氏は官僚に抱きついたから鉄砲玉が政権の内側から飛んでこないことを知っている。鳩山氏は政治家として「最低でも県外」と自立した発言をしたから、米国ベッタリの官僚の鉄砲玉に撃ち殺された。


 そして大手マスコミのお墨付きで小沢氏を破って首相続投を果たしたのだから、大手マスコミによる菅下ろしは正当性を持たない。つまり、首相の椅子にしがみついても大手マスコミが昂然と引きずり下ろすことはしないと読んでいる。事実大手マスコミはこの時期に首相交代はどうか、という「被災地の声」をセットして政局を報じている。しかも復興策や政局に対して菅氏の不人気にもかかわらず、大手マスコミの世論調査では菅氏の支持率は30%弱を保ったままだ。摩訶不思議な世論調査結果を掲載し続けているのも大手マスコミによる菅氏支援策の一つだろう。


 


 さて、これからどうするつもりなのか。党内世論すら纏め切れない菅氏を首相に担いで、衆議院本会議で政府提案を否決して民主党分裂・解散総選挙へ持ち込むつもりなのか。それとも菅氏批判の嵐を繰り広げるのか、大手マスコミは自らが担いだ首相の動向に責任を持たなければならない。


 国民も壮大なフィクションに騙されて小沢氏を嫌悪している現状を冷静に分析しなければならないだろう。根拠もなくいっぱしの評論家顔をして「オザワもカネに汚いからね」と街頭インタビューで発言するバカが多くいる限り、この国は菅氏程度の首相を戴くしかない。


 人は法と証拠で裁かれるべきだ。大手マスコミの垂れ流す風評で安易に人を、特に政治家を判断しないことだ。大手マスコミは中立・公正な顔を装っているが、必ず何処かの立場に立って誰かの利益を代弁している、という現実的思考をしなければならない。なぜなら彼らも「商業活動」をしているのであって、それで飯を食って会社を「企業」として存続させなければならない、という社会的要請に従っているからだ。彼らも綺麗ごとをのたまって、霞を食って生きているわけではない。それを了とするのではなく、心底軽蔑し忌み嫌うが、それが現実であれば受け入れて大手マスコミの情報を個々人が個々人の識別眼で選別するしかないだろう。人は一人では生きて入れない生き物だ。特に都会では。



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