誇り高く愚直に生きることだ。

 小沢氏の仲間が仲間割れしている、というのは事実かもしれない。なにしろ選挙で当選したばかりの一年生を多く抱えて、非主流派で干されていれば次の選挙に不安を抱くのはやむを得ないだろう。


 しかし毎回の選挙で国会議員の何割かが入れ替わるものだ。事実、小沢派の一年生もそうして当選したはずだ。それなら当落は議員たる者の常として受け入れなければならない。議員たる資格を失う落選は怖いかも知れないが、落選を恐れるあまり人としての矜持を失う方がもっと怖いのではないだろうか。次の選挙ばかりを考えて右顧左眄する方が人としての道、人倫に反すると指弾されるべきではないだろうか。


 


 刑事訴訟法としてあるまじき「疑わしきは裁判でシロクロをつけろ」という訴因で国会議員を検審起訴した「第五検審会委員」が実態不明のまま、これを基にして党が所属国会議員の党員資格を無期限停止するという愚挙をしでかしている状況を放置するとは、民主党は「検察党」とでも名称を変更すべきだ。


 国権の最高機関とされる構成委員にして国民から選出された人物を検察官僚の意のままに政治生命を操れる現状に警鐘を鳴らさない国会議員とは何者だろうか。特に自党の国会議員がそうした刑事訴訟法に定める「法と証拠」に依らない訴因で不当に起訴されたことに対して厳重抗議と法改正を試みもせず、反対に当該国会議員を弾圧するとは、国会も官僚の下請け機関に堕したかと天を仰ぐしかない。


 


 国会議員としての誇りも矜持もなき者は国会を去るべきだ。次の選挙だけを気にする国会議員は人として失格者でしかない。


 民主党国会議員なら2009マニフェストで国民と約束した「国民の生活が第一」を愚直に果たして行くことが政権交代で政権党にある国会議員の使命だ。それを果たさずして官僚のレクチャー通りに政策を理念も哲学もなく捻じ曲げて参議院選挙で大敗した菅政権は直ちに首相を罷免すべきだった。つまり昨年9月の代表選で選んではならなかったのだ。それを大手マスコミの「簡単にコロコロと首相を代えて良いのか」というバカなプロパガンダに乗せられて菅氏を党代表に選んでしまった。


 しかし掛け違えたボタンは何処まで掛け続けても間違っているもので、結果はその通りになっている。菅氏はどうしようもない俗物に過ぎなかったと馬脚を現して、なおも首相の椅子にしがみついている現状がすべてだ。


 


 民主党は「官僚制内閣」と揶揄されていた自民党的な官僚丸投げを止めるはずだった。肥大化した官僚組織の垢を削ぎ落として「国民の生活が第一」の政策の財源にするはずだった。行政府吏員たる官僚が国権の最高機関の国会議員を顎で使う図式を廃止するはずだった。


 しかし菅氏はそれらのすべてを反故にした。おざなりの事業仕分けはパフォーマンスショー程度のものでしかなかった。本来なら通年で任期にある間、民主党は続けるべきではなかったか。


 昨日で休日1000円割引が終わったが、高速道路は無料化するのではなかっただろうか。子供手当は26000円支給するのではなかっただろうか。


 直接支給や高速道路無料化に反対する者の目的は何かを考えなければならない。それは既得権益擁護以外の何物でもない。民主党への政権交代以降、官僚と業界既得権益と化している事業のどれほどが打ち切られただろうか。見るも無残なほどほとんどの制度事業が自民党時代そのままに延々と続けられている。官僚たちはサンセット方式を徹底して排除し、自民党時代の予算に民主党マニフェスト予算を積み上げただけのおざなりの予算編成をしている。だから常に対前年比最大規模になって財政赤字を積み上げているのだ。その官僚の恣意的なサボタージュですら、財務省は歓迎して増税・増負担の根拠に使おうとしている。官僚はまさしくこの国に巣食う巨大なシロアリだ。


 


 小沢氏の仲間が齟齬をきたしている、として大手マスコミは拍手喝采しているが、菅氏の仲間は決定的な仲間割れしているのを報じないのはなぜだろうか。自民党も政権を失って求心力をなくしているのを報じないのはなぜだろうか。公明党も実質オーナーの不在が一年以上も続き、国会議員までも政策決定を巡って右往左往しているのを報じないのはなぜだろうか。


 震災復興を巡って官僚が利権確保に奔走し、業界業者が利権の囲い込みに官僚と結託しているのを報じないのはなぜだろうか。今後の復興公共事業が地方主導で進められない現状のまま推移しているのに警鐘を鳴らさない評論家たちは何だろうか。彼らまでも官僚に取り込まれ「官僚国家」の支配者におもねているのだろうか。


 


 小沢氏の仲間の国会議員諸兄よ、ざわざわと風に揺れる小枝のように騒ぐことなく、大木のように愚直に国民との約束を果たすことに全力を注ぐことだ。大手マスコミはやがていつの日にか糾弾され使命を終えてこの世に存在意義を失う。ネット社会の広がりにより私のような意見も多くの人たちの目に触れるようになったのだ。必ず世論は大きくネットに依存するようになり、官僚下請け機関たる大手マスコミはオピニオンリーダーの座から滑り落ちるだろう。


 しかし、社会の木鐸たる使命を忘れ官僚に取り込まれたマスコミとは一体何だろうか。政治家はそんな低次元の記者や評論家の言に惑わされることなく、有権者に愚直に語り続け、行動で示すことだ。次の選挙ですべてが決まるのではない、次の選挙は菅氏の姑息な裏切りにより民主党の支持者からも支持を失った、大変厳しいものになるだろう。しかしあなたの人生はそれで終わりではない。誇り高く愚直に生きることだ。



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