「民族自決主義」を阻む三大国は米国と中国と露国だ。

 国家形成には様々な要素と動機がある。地理的なものもあるだろうし、文化・宗教的な同一性によるものもあるだろう。しかし最も大きいのは民族的同一性から一定の地域に国家を形成するものだろう。そのことを第二次世界大戦以前の米国は国是として「民族自決主義」を掲げ、米国は他国のことに関わらない「モンロー主義」に徹していた。


 


 しかし第二次世界大戦以後、世界の覇権を巡って米国は実にお節介焼きとなった。様々な地域に口出しするだけでなく、軍まで派遣して戦闘行為を好んで展開する好戦国家となった。


 露国はその前身たるソ連がまさしく軍事力による周辺国家を侵略して成り立つ国家だった。それを習ったのではないだろうが、中国も膨張主義の虜となって万里の長城以北も自国領土だとして侵略併合した。民族自決主義とは大きく乖離した二大国家だ。


 


 米国は最初から移民・多民族国家だった。いわば「契約国家」だから民族による自決がどれほど大きいか知るところではない。その国がモザイクのような民族の入り組みと宗教の入り組んだアフガンに口出しした。


 もともとタリバンが支配していた国家を反・タリバン傀儡政権を擁立して支援したのだが、無理が通れば道理が引っ込むの諺通りだ。米軍が撤退すればアッという間にカイザル政権は瓦解してタリバン政権が樹立されるといわれている。米軍はそれでも撤退するしかない。無理を押したのだから、米国が撤退すれば多数派のタリバンが国政を執るのは当たり前だ。


 


 米国政府に膨大な戦費を賄う余力はない。ドルの危機が言われて久しく、米国債発行制限の上限に達したため米政府はさらに制限を嵩上げするように議会に求めて否決された。この夏にも米政府の金庫は底をつくという。ドルの垂れ流しもいよいよ限界に近づき、ドル赤字は円換算で1京円を超えているといわれている。いや既に1京3000兆円程度はあると推測するエコノミストもいる。日本の国と地方を合わせた累積赤字は900兆円といわれているが、そのほとんどは国内市場で調達され、対外的には日本は世界で1,2を争う債権国家だ。米国とは基本的に異なることを忘れてはならない。


 


 日本がいつまでも米国に鼻面を引き回されて、世界でお付き合いを続けて良いのか、真剣に考えなければならない。ただ日本の近隣諸国には行儀の悪いつまみ食い国家や盗賊国家が大きな顔をしているから、すぐに日米安保体制を廃棄する状態にないが、2国間同盟は永遠ではなく、いつかは終わることを覚悟の上で国家の自立を考えておかなければならない。


 その時に、日本はアジアの文化圏に属し、アジア諸国と親しく付き合わなければならない立場にあることと、厚かましくも独善的な近隣の大国と対抗するためアジア諸国と連帯しなければならない立場にあることも考慮に入れて米国と付き合うしかない。


 だから日本が米国のパシリで了とする自民党的な日米同盟は日本の将来を真剣に考慮したものとはいえない。日本は日本国民による自立を本気で模索すべき時期に到っているのではないだろうか。



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