「感謝の気持ち」を忘れてはならない、は当たり前のことだが、それを押し付けてもならない。

 被爆者援護法により援護されていることへの感謝の気持ちを忘れないでいて頂きたい。原爆により亡くなった人たちは援護されることもなく、非人道的な兵器により一瞬で命を奪われた。その人たちの分も含めて、日本国民として税から援護するのに何ら異議を抱くものでない。


 しかしそれでも「当然の権利」だといわれれば違和感を抱く。それは戦争で何らかの被害を受けなかった国民は皆無と言っていいほどひどい戦争だった。だから援護して欲しいのはすべての国民でもあるといって良いだろう。


 その中でも被爆者として放射能被害に苦しみ続けている人たちに対して特別に「被爆者援護法」を制定しているが、その年三月の東京大空襲でも夥しい人が亡くなり、その数倍する人たちが心に生涯消えない痛手を受けた。しかし、彼らに「援護法」はない。そのことを被爆者の方々は「特別なのだ」との思いを忘れないで戴きたい。


 戦争の犠牲者は沖縄や被爆者だけではない。各地の工業都市も本土空襲を受けた。数えきれない人たちが絨毯爆弾や焼夷弾により各地で亡くなった。しかも彼らは「戦死」の扱いも受けていない。戦中・戦後政府は非戦闘員を殺害したとして米国に抗議していない。まさしく、彼らは犬死だった。その無念たるや想像を絶する。


 被爆者の方々が広島市長の発言に抗議するのも理解できるが、広島市長の発言も理解して戴きたい。戦争で被害を受けたのは被爆者だけでなく、沖縄県民だけでもない。多くの人たちが深い傷を受けた。そのことを忘れないで戴きたい。


 だから「どうこうせよ」というのではない。国として被爆者に援護するのは当たり前のことだし、唯一悲惨な地上戦を経験した沖縄に特別な援助をするのも当然のことだが、戦争被害者は全国にいる、ということを忘れないで戴きたい。あの時代を生きた人たちのすべてが、心に深い傷を受けたのだということを。



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