現代日本の不幸はマスメディアの不健全性も大きな一因だ。

 大手マスコミを筆頭とする日本のマスメディアは真実を報じる機関だと思っている国民はまだ多いに違いない。その証拠にテレビで街の声として取り上げる新橋界隈の遅い帰宅途上のサラリーマンに問う街の声はの多くが大手マスコミの支配するテレビで論じられている思考の範疇を超えるものは少ない。その多くがテレビで報じられる事柄を頭から信用した上での判断だと思わざるを得ないものだ。しかし、大手マスコミとそこに登場する評論家たちは真実を語っていないか、真実を隠している場合が多々ある。


 


 たとえば福島第一原発爆発事故で放射能が大量に排出拡散された3/12から3/20にかけてのデータを東電はなかなか発表しなかった。そして気象庁の風向き情報SPEEDIを大手マスコミは積極的に報道しようとはしなかった。いや隠蔽されていたのだ、と報道機関が自己弁護するのなら官邸や野党の一部国会議員は知っていた可能性を否定していない現在、執拗に取材していればリアルタイムで国民に屋外へ出る危険性を報せることができたはずだ。少なくとも国民は自己防御(たとえばマスクの着用など)ができたはずだ。子供たちを屋内退避させることもできたはずだ。乳幼児に与える粉ミルクを解く水に水道水を使わなかったはずだ。春の日差しにベランダで布団を乾燥させなかったはずだ……。


 今となっては東京のホットスポットに居住する人たちの被爆を防ぐ手立ては何もない。風邪のヴィールスよりも大きいとされるブルトニュームの粉塵はマスクで防げたし、新型の掃除機で帰宅した服を除染すれば屋内に持ち込まないで済んだはずだ。内部被爆の多くは適切に防げたはずだが、大手マスコミは口を噤んだまま今もそのことに関して報道しようとはしない。


 


 小沢氏に関しても「政治とカネ」なるプロパガンダは法と証拠を伴わない捏造そのものだったし、小沢氏の秘書たちの犯罪も無理やりこじつけられた冤罪の様相を呈している。しかし、それでも大手マスコミは小沢氏の疑惑を煽る書き方で法廷証言などを切り取りで報道する卑劣な行為を繰り返している。しかも国民の大多数は主としてテレビの報道番組を頭から盲目的に信じて情報操作に操られている。


 いや、国民だけではない。高い見識を有していると思われる国会議員の党幹部ですら、まやかしとしか思えない「検審起訴」ですら小沢氏攻撃の金科玉条の材料として「党員資格の無期限停止」を小沢氏に課している。お笑い芸人の下手なネタ程度の訴因で、バカの極みとしか思えない日本の司法界に汚点を残す行為なのだが、政治家小沢氏を罰する党幹部本人たちが到って真面目なのが絶望的だ。


 


 この国のメジャーな言論人は大手マスコミの走狗になっている。そうしなければ暮らせないのだから仕方ないかも知れないが、しかし矜持を持たない言論人とは何者なのだろうか。外国人が小沢氏を伝記的に記述したのは評価に値する。小沢氏に凝縮された諸問題を掘り下げればこの国の戦後の支配体制の歪みと、いびつなメディアの姿が透けて見えるはずだ。それは電通を頂点とする広告宣伝機関をも支配している摩訶不思議な勢力図だ。


 まともな論評がこの国に存在しているのか、時々絶望的になる。次世代の日本国民に受け継いで頂くこの国が先人たちに恥じない誇りある国家として受け渡せられるのか、私たちの世代の責任は重い。戦後の桎梏を解き放つ責任は今を大人として生きる私たちにあることを自覚しなければならない。



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