北沢防衛大臣は何処の国の防衛大臣か。

 指揮権を有する所轄大臣として大震災・津波被害を受けた壊滅的な地方へ自衛隊員の半数に近い10万人もの隊員を派遣する決定を「安全保障会議」も開催せず、最高権者である菅氏が勝手に発動してしまった。そのため国防が手薄となり、露国や中国が挑発するかのように領海や領空へ頻繁に接近する事態を引き起こしている。


 


 国家的危機に際して「安全保障会議」を直ちに開催して対処する、とされているマニュアルを無視され、頭越しに自衛隊10万人災害地派遣を打ち出すとは尋常ではない。


 まず自衛隊の派遣には当然兵站を必要とするし、前線を支えるための後方支援体制の構築も必要となる。そうした実務を菅氏は当然詳細には知らなかったはずだ。実務的な観点からまずは派遣規模を決めなければならず、そうしたことは北沢防衛大臣が菅氏を諌めなければならない立場にあった。


 


 かくも菅氏に対しては寛大な北沢防衛大臣だが、前任の鳩山首相に対しては「最低でも県外」の鳩山発言に忠実に職務を果たしたとは到底思えない。当初から北沢防衛大臣は岡田外務大臣と歩調を合わせて「辺野古沖移設日米合意」を盾に鳩山氏に対して協力的ではなかった。


 当時はなぜだろうかと訝しかったが、その理由は先日ウィキリークスによって公開された米国内部資料の暴露で明らかになったが、防衛官僚や外務官僚は米国政府の応援団として「日米合意」を鳩山氏に迫るように逆に持ちかけていたのだ。これほどひどい背信行為はない。そして鳩山政権の大臣として彼らは日本国首相の指揮権下にあったのではなく、米国と好を通じた官僚たちのコントロール下にあったといわれても仕方のない行動をしていた。


 


 北沢防衛大臣は一体どこの国の防衛大臣なのか。鳩山氏が「最低でも県外」と発言して大手マスコミから嵐のようなパッシングを連日浴びている時期に、彼は素知らぬ顔をしていた。少なくとも鳩山首相と一緒になって米国を説得しようとしていた痕跡はない。そしてウィキリークスの暴露に対して国会の外務委員会や防衛委員会で議論が沸騰していないのはなぜだろうか。国会議員は揃いも揃って全員が米国の前にひれ伏しているとでもいうのだろうか。


 日本国内にある米軍基地の移設一つ自由にならない日本国首相とは何だろうか。日米安保条約があるとはいえ、これは明確な主権侵害ではないだろうか。日本国民すべてが米国によってバカにされているのと等しい。それを高給を食む防衛・外務官僚も米国政府と一緒になって、あるいは米国政府に協力して鳩山首相の渾身の思いを放棄させたのだ。嘘だと思うのなら明らかになったウィキリークスを読んでみると良い。


 


 実際に公有水面埋立を要する辺野古沖移設案は法律の仕組みから現地地方自治体の同意がなければできない。しかし嘉手納基地への合流はできる。いかに地元自治体が反対を表明しようと、基地の運用は日本国政府の専権事項だ。そのことから米国議会内からも辺野古沖移設を断念して嘉手納基地へ移設すべきとの意見が出てきた。日本国内の基地に関して日本の防衛・外務省よりも米国の国会議員の方がよほど現実的でマトモだ。


 


 北沢防衛大臣は自身も大臣を辞任するとともに、当時の事務次官や責任ある高級官僚を更迭しなければ日本国の防衛大臣としては面目が潰れるのではないだろうか。いや、すでに面目などは何もなく、頭越しにやられようと何があろうと大臣であることだけが目的なのかもしれない。彼を任命した菅首相と同じように。



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