焼け太り策満載の公務員改革とは何か。
民間企業では経費増をもたらす新規事業には厳しい目を向けるものだが、政治家は神経が麻痺しているのか公務員改革と称して『公務員庁』を新設し『内閣人事局』も設けるという。何のことはない公務員の焼け太りに手を貸しただけの結論になっただけだ。
政治家とはこの程度のマネジメント能力しかない連中の集まりなのだろうか。それとも公務員改革の素案作りまでも官僚に丸投げしたからなのだろうか。いずれにしても国民の求める公務員改革とはほど遠いものだ。
人事院が「民間企業の平均的なレベルで公務員給与を定める」という謳い文句で勧告しているはずが、いつの間にか民間企業の平均年収の二倍を超える水準になり、それに公務的企業の給与水準が右倣えとなって、たとえば東電社員の平均年齢32才の年収が1000万円を超えている。NHKなども然りで公務員給与に準ずる、としている独占・公務的事業を行う各種団体は全国にゴマンとある。それらが多くは独占的な料金徴収や負担金や補助金で運営されている。明確な官尊民卑が堂々と大手を振って横行している現実を政治家諸氏は知らないのだろうか。
それともこの国を構成しているそれらの独占的な団体は特別な存在だとして決め込んでいるのだろうか。未曾有な災害被災から復興すべきドサクサのこんな時期に公務員改革を持ち出して、国民の監視の目が向かない内にサッサと決める魂胆なのだろうか。
さらに言えば、人事院をどうするのか。明確に「廃止」と銘打たなければそれこそ焼け太りの上に屋上屋を重ねる官僚の得意技が発揮されたとみるべきだ。
福島原発事故が起こって国民の関心が高まり明らかになったが、原子力関係だけでも似たような名前の各種団体がこの国にゴマンとあって、御用学者や官僚天国が原子力行政という名の下に展開され、そして挙句の果てに福島原発事故ではそろって無能ぶりをいかんなく発揮しているのだ。彼らが目指した「安全」とはこの程度のことだったのか。津波で軽油タンクがひっくり返り、非常発電のディーゼルエンジンを地下に設置していて海水に浸かって使い物にならなかったという馬鹿げたことを、大勢の高給取りの人材を天下らせ叡智を集めて検討して行っていたのだ。
滞貨一掃。馬鹿な各種団体は直ちに解体・廃止しなければならない。「原子力ムラ」と呼ばれる原発利権に群がった者たちが福島へ赴いて、彼らが原子炉の安定化と放射能漏れ対策を講じなければならない。長年広報を担当したり研究してきた成果を示して「安全」だと身を以て示す義務がある。それが出来ないというのなら真実を国民に話し、情報を開示すべきだ。
公務員改革をおざなりにしていると、各種分野に形成されている勿体ばかりつけていざという時に何の役にも立たない「原子力ムラ」と同じ程度の連中がシロアリとなって国家財政と地方財政を貪り続けるだろう。