衆愚政治、ここに極まれり。

 公明党とは衆愚政治の権化のような政党なのか。地方で子供手当を「やめろ」という声が多いから、地方選挙で民主党と敵対姿勢を明確にしているから、さらには迂闊に子供手当協議に乗って民主党内で造反にあえば面子が潰れるから、という理由で民主党と子供手当に関して公明党の主張する「児童手当」の拡充という路線でも良いから協議しようとする民主党の投げかけを拒否することに決めたというのだ。


 


 地方で子供手当に反対の声が多い、というのは本当なのだろうか。少なくとも私の周囲で反対しているのは老人世帯だけで、殆どの子育て世帯は大賛成なのだが。


 そもそもこの国は子育ては個々人の問題とする考えが支配的だった。そのため子育て支援に対する国の予算は対GDP比で欧米諸国の1/3ないし1/4程度でしかない。その結果として現在の特殊出生率1.34という人口減社会を招来している。


 


 バカな評論家が「人口減社会も良いではないか、日本は人口過密なのだから」とのたまうのを時折見かけるが、人口減が止まって一定規模の人口で安定する、という前提で発言しているのがほとんどだ。人口減が止まるには特殊出生率が2.04にならなければならないとされている。つまり、このままいけば純粋論理的には百年後に人口は半減し、その後も減少し続けるのだ。これが「良い社会」だろうか。例えば百年後の孫や曾孫の世代は現在の膨大な社会インフラをどうやって維持管理するのだろうか。錆びだらけのレインボーブリッジが崩落する場面を想像すると良い。瀬戸内海を結ぶ橋が次々と通行禁止となり遂には崩れ落ちる、新幹線もレールを支える橋脚の管理がいき届かず崩れる場面を想像すると良い。


 


 現在の日本の総資産をB/Sに表記してみれば減価償却費が算出できて、基本的にこの国を運営するコストが把握できるはずだ。それを最低限国民が負担できるのはどれほどまでの人口かを算出してみると良い。人口減社会も良いなぞと、余りノー天気なことはいわないことだ。


 そうした少子社会がいかに危機的な状況を将来の国民にもたらすかを考えれば、子供手当は高すぎるコストとは思えない。子育てに国としてもっと支援すべきだ。それとも膨大な人口を抱える隣国から大量移民を奨励して国を乗っ取られるのも是とするのなら、私と考え方を異にするが。


 


 この国の予算規模は公債費を除いても世界で突出した富裕な規模だ。それにも拘らず日本に暮らす国民の多くが「富裕な国」だと思えないのはなぜなのか。官僚が奨励する「制度事業」に問題があると殆ど声を上げない大手マスコミに病理そのものを見る。


 報道の自由は権力者を監視するためにある。監視・牽制機能を発揮するために報道の自由はあり、それを一義的な使命として行使できるように確保されている。そしてこの国の最大の権力者は「官僚」だ。マスコミは官僚を監視しなければならない。官僚の提起する制度事業の後ろに広がる巨大な闇に光を当てなければならない。


 政治家はとっくの昔に官僚の下請けに堕している。民主党政権で政治家が国権の最高たる国会を具現化するのではないかと期待したが、菅政権によって木端微塵に砕かれた。


 


 せめては政治家が政治家らしくこの国の未来に責任のある現在の政策として掲げた「子供手当」ぐらいは残して欲しいが、現世利益を追い求める公明党は袖にしたという。官僚による官僚のための制度事業はすべて存続して、政治主導によって導入された将来の国民のための政策は反故にされようとしている。官僚は本当にこの国のことを考えているのか、単に自分たちの権益擁護の巨大なシロアリではないのか。その結論は既に出ているのに、日本の政治家は人口減社会の恐怖に鈍感なまま何もしないつもりなのだろうか。


 



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