この人材の枯渇ぶりはどうだろう。
東京都知事選が始まったが、立候補者の顔ぶれをみると日本の首都東京も人材難だと嘆くしかない。
万年立候補者の発明家は言うも及ばず、お笑い芸人出身の候補者も前任地で何をしたのか、という批判には耐えられないだろう。特に鳥インフルや口蹄疫では当事者たる知事としてチンプンカンプンな種牛を残すためと称した疫病対策の根本を揺るがす行動を取ったり、国に批判の矛先を向けてたりした。
外食チェーン経営者も何だか胡散臭いし、現職は鼻持ちならない高慢さだ。しかも新銀行東京の焦げ付いた負債をどうするのかの検討もないまま、頓死は避けるべきとして新たな「税」を銀行へ投下した。その他の大名行列のような海外宿泊や身内優先の仕事発注など、普通の感覚で着考えられないジコチューぶりだ。
東京都民を考えることは、すなわち日本国を考えることだ。東京都の予算はちょっとした国家予算に匹敵する。しかも現在は福島第一原子力発電所の危機に際して、放射能汚染と「計画停電」に見舞われている。その中でも水道の汚染は深刻だ。都民の「安全・安心」はどのようにして実現するつもりだろうか。言葉では簡単だが、実行となると選択肢はほとんどない。風向きを天に祈るだけの空念仏に終わりかねないのが実情だ。
国はスッカラ菅氏が政治を司り、東京都は誰がなってもさして変わらない面々が空疎な言葉を弄んでいる。
都政を託すに足りる見識と品格を備え実行力に富む人物は見当たらない。それでも選ばなければならない都民の不幸は都民自身の不幸でもある。