この時期に「検察改革提言」を取り纏めるとは。

 大阪地検特捜部の不祥事を受けて法務省に設置された「検察のあり方検討会議」は千葉景子元法相が座長となって昨年11月から行ってきた議論を踏まえて、座長試案を取り纏めて各委員に配布した。


 改革試案の主な点として廃止議論のあった特捜部を存続させ、検察官のチェックを行う監察体制を新設すべきとしている。


 


 またしても官僚の「焼け太り」体質丸出しの改革試案だ。何のことはない、特捜部はそのまま存続して新たに「監察部」を検察内部に設けて、人材とポストを検察が増やすだけの「焼け太り」の案となっているだけだ。


 さすがは法務省内部で官僚主導で改革議論をしただけのことはある。しかもこの時期に試案を取り纏めてコソコソと事を進めているとは。


 


 検察の最大の問題点は何だったのだろうか。それは検察官による事件の捏造だったはずだ。検察が事件をでっち上げて、そのでっち上げたフィクションに沿った取り調べ調書を作るために被疑者を長期間拘置してあらゆる心理的脅しをかけ、嘘を言って誘導し、挙句の果てに捏造したことだ。


 それを防ぐには捜査権と公訴権を分離するしかないのは明白だろう。地検特捜部が華々しく報道に登場して検察の花形とされているが、捜査の手法と方法で警察を上回るものでは決してない。第一科学捜査をどれほど検察が取り入れているというのだろうか。従前の「脅し」と「落とし」に終始した前近代的な手法そのものではないだろうか。


 


 確かに検察は警察から送付された事件を検討しているから机上では捜査を承知しているつもりなのだろう。しかしそんなことは実際の捜査ではなく小説を読んでいる程度のものでしかない。


 そうした知識を基にして強制捜査と称して被疑者の関係個所を一斉に取り調べているが、そんなことはパフォーマンス以外の何ものでもない。彼らは法は勉強しただろうが、社会経験に乏しい籠の鳥でしかない。しかもせいぜい飛べる範囲は法曹界という狭い空間でしかないのだ。


 


 特捜部の廃止は勿論のこと、検察から捜査権を取り上げることだ。補充捜査が必要となれば送致された事件を警察へ差し戻せば良いだけだ。事件として立件するのに証拠が十分でないのだろうから、警察にさらなる捜査を要求するのが至当だろう。検察が捜査権まで持つから事件を捏造するのだ。


 検察は公訴権のみとすべきだ。そうすれば事件化したものを何が何でも裁判へ持ち込まなければメンツが立たない、という心理に追い込まれることはない。検察官僚による総選挙直前に野党第一党の代表の元秘書を別件で逮捕するなぞというおぞましい「政治介入」を許すことはなくなるだろう。


 


 千葉景子氏を座長とする「検察のあり方検討会議」は何を議論したのだろうか。司法試験に通っただけの検察官により構成される検察が警察官採用試験に通った警察官により構成される警察より格上だと勘違いしていないだろうか。第一「検察のあり方検討会議」の委員諸氏はどのようにして選定されたのだろうか。彼らの意見の取り纏めがその程度の「特捜部は存続」として「新たに監察制度を設置」するが「全面可視化」については引き続き検討する、というのでは何もやらないのと同じで、「監察制度」という焼け太りを認めるだけだ。何ともバカバカしい試案を取り纏めたものだ。


 


 この東北大地震被害のどさくさの最中に、法務省は何をコソコソと進めているのか。検察制度改革は民主的な国家にとって重大な意味を持つ。「検察のあり方検討会議」の委員各位は脱官僚の精神でしっかりと検討して戴きたいものだ。



このブログの人気の投稿

それでも「レジ袋追放」は必要か。

麻生財務相のバカさ加減。

無能・無策の安倍氏よ、退陣すべきではないか。

経団連の親中派は日本を滅ぼす売国奴だ。

福一原発をスーツで訪れた安倍氏の非常識。

全国知事会を欠席した知事は

安倍氏は新型コロナウィルスの何を「隠蔽」しているのか。

自殺した担当者の遺言(破棄したはずの改竄前の公文書)が出て来たゾ。

安倍ヨイショの亡国評論家たち。