マニフェストの実現に全力を注ぐのが政権与党のあるべき姿だ。

 突然民主党の幹事長が「子供手当を廃止しても良い」と発言したようだが、その本意は公明党が児童手当の拡充を求めていたから、民主党は子供手当を廃止して、公明党案に乗って児童手当を拡充すれば良い、というのだそうだ。


 


 つまらない駆け引きにマニフェストの旗印の一つを降ろすというのは本末転倒だ。2009マニフェストによって政権交代を行ったのだから、民主党はマニフェスト実現に愚直なまでの努力を続けるべきだ。それと同時にマニフェストに書かれていなかった消費税増税や社会保険料の負担増は議論だけに止めるべきで、その前に国民と約束した公務員改革を断行すべきだ。


 


 子供手当を単に「バラ撒き」と評する自民党や公明党とは政党理念を異にする。民主党は戦後政党で初めて国民への直接支給を希求した政党だ。その意義は計り知れないほど大きいことを国民は知らなければならない。


 従前の官僚が仕組みを考えて実施してきた各種事業(制度事業と呼ばれる)がいかに高コスト体質に染まっているか、大手マスコミが一切報じないから国民は知らないだけだ。


 


 同じ仕事を民間企業が行えばどれほどのコストでできるか、政府機関が試算すべきなのだが、そうした機関は存在しないし、たとえ創設したところでまた新しい官僚の利権団体が一つ増えるだけになってしまうという結果に終わるのは目に見えている。なぜなら会計検査院が各省庁のお目付役という役目を担う機関として存在するが、実態は新たな天下り団体に他ならない。毎年チマチマとした「検査結果」を公表して仕事をしているかのように装っているが、それならなぜ「事業仕分け」が必要だったのか。


 つまり会計が適正か否かという判断だけの機関で、制度がすでに終わったもので廃止すべきか否かの判断はやってこなかった。そして会計検査院から各省庁へ天下っている。


 


 このように日本の官僚制度は根本的な牽制機関を有していない。適正給与を定めるべき人事院まで現在の高額公務員給与を「勧告」しているのだ。


 権力は腐敗する、という箴言がある。中東・北アフリカで起こっている民衆の政権打倒の嵐も、一つの権力が長く権力の座に留まったことから起こっている。権力が腐敗したのだ。


 日本は誰が権力を握っているのか、と問われれば「官僚」だと答えざるを得ない。小沢氏ですら検察官僚と実体が検証できない検審会という幽霊機関によって政界から石を持て追われようとしている。


 


 そして大手マスコミが保持するマスコミ権力だ。全国紙だけでなくテレビ局まで抑えた一大マスコミ権力を行使して根拠のないプロパガンダで小沢氏を批判し続けた。その様は中世の魔女狩りもかくあったか、と思わせるものだ。


 権力者を監視し、警鐘を鳴らすべき存在が官僚権力(行政・司法権力)と結びついて国民に捏造した情報をタレ流し続けて国民の判断を誤らせてしまった。民主主義の木鐸たるべき存在が、民主主義を捻じ曲げている実態に恐怖を覚えないジャーナリストは権力者の走狗に過ぎない。


 


 民主党の掲げたマニフェストは国民主権を取り戻すための仕掛けが散りばめられて埋め込まれているのが読み取れる。たとえば歳入庁創設も各省庁が独占している特会の入金を抑えるためのもので、特会の全容が明らかにされる目的のものだが、大手マスコミは一切報じないし菅政権で議論された痕跡すらない。


 国民はこの国の仕組みがこのままで良いと思っているのだろうか。高コスト体質な行政と司法と国会を抱えたまま、国民は逼塞しているのに、さらに負担を求められようとしている。民主党幹事長の岡田氏にそうした問題意識はないのだろうか。いや、小沢氏を政界から追放したい勢力に加担した張本人にそうしたことを求めるのはお門違いだった。



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