かつて非自民政権を倒された者たちの悪夢再びか。
細川連立政権は小沢氏が中心となって非自民・非共産の政権を平成五年に打ち立てたが一年足らずで倒れ、その後を受けた羽田政権は60数日にして社会党と新党さきがけの離反にあってあえなく瓦解した。その裏切りにより自民党は政権党に復帰した過去がある。
細川氏の率いる日本新党は武村氏の新党さきがけと同一会派を組んでいただけに新党さきがけの離反は細川氏にとって痛かったが、直接的な武村氏の離反動機は小沢氏に対する個人的な反目があったといわれている。
当時菅氏は新党さきがけにいたし、仙谷氏は社会党の議員だった。つまり小沢氏の作り上げた細川連立政権と羽田連立政権を裏切りにより倒した張本人たちが菅政権の中枢を握っている。かれらは再び民主党政権を作った小沢氏を裏切り自民党に秋波を送っている。かつて組んだ昔の仲間に助けを求めているのだろうが、今度の自民党は辛抱強く大手マスコミの揺さぶりによる民主党の自壊を待っている。
小沢氏は菅氏や仙谷氏たちの二度にわたる裏切りを許さないだろう。菅氏たちは碌に地道な地元活動をせずに風頼みで政権党を批判して議席を得てきた連中だ。パフォーマンスは卓越していても、一人一人の有権者の願いに疎いところがある。この時期に消費税を謳いだしたのは米・官・報の連合勢力に乗って政権を安定させようとしたのだろうが、それが命取りだ、ということが分かっていないようだ。彼らとは戦う相手として民主党は出発している。その相手と組めば党は消滅せざるを得ないのは自明の理だ。菅氏たちは分かり切った結論へ向かって突き進んでいる。近年これほど馬鹿げた政治家を見たことがない。対立すべき相手と組んで党を消滅させた村山富市氏以来だ。
細川氏たちはかつての裏切りの仲間が再び裏切りに走っているのが許せないだろう。二度とも政権を作った立役者が小沢氏なのも彼らに義憤を感じさせるのだろう。しかも今度は小沢氏を徹底して排除している。
国民は現在起こっている政治状況を忘れないことだ。それを演出している勢力の存在も、併せて心の中に叩き込んでおくことだ。それは国民による国民のための政権が打ち立てられると、突如として牙を剥くエゲツナイ勢力だ。いつもは娯楽やスポーツを提供して国民の味方のような顔をしているが、実は彼らが国を売っている。
売る相手は米国だけではない。慰安婦問題は何処で誰が火をつけたのか、教科書問題は何処で誰が火をつけたのか、靖国問題は何処で誰が火をつけたのか、簡単に分かることだから是非とも検証してみることだ。そうすると大手マスコミの正体が見えてくる。
新聞社がテレビ局も所有する構造は解体すべきだ。報道機関による情報操作に国民はもっと過敏になるべきだ。大本営発表が国民を不幸のどん底に突き落としたことを日本の国民は決して忘れてはならない。
細川氏たちが会って話したことを大手マスコミは政局の「こぼれ話」程度にしか扱っていないが、実はそうした重大なことを話したのではないかと思えてならない。