基本的な柱を持たない浮草論評だ。

 現在の大相撲が肥満体質か筋肉体質か知らないが、勝負の世界で「八百長」をすべきでないのは当然の理だ。そうした噂は随分と以前からあったが、角界は「八百長はない」との立場に立って改革を怠った。八百長は断じてないが出来ないようにすべきだ、という用心の上でそうした対策を講じておくべきだった。


 今回の騒動は「八百長」が出来ない仕組みを講じてこなかった、というただそれだけのことだ。抜け道があれば不届き者はそこを通って楽をしようとする。角界だけの問題ではないだろう。ましてや肥満体か筋肉質かの問題でもない。


 


 小沢氏の一件は何が言いたいのか皆目分からない。大手マスコミの報道とマスコミ世論調査に見られる国民世論に迎合した体の良い浮草論評に過ぎない。百回読んだとて何がしも得られるもののない、実に下らない論評だ。


 国民が政治家を選ぶ仕組みを採用したのは、それまでの官僚専有の政治から国民の手に取り戻すためだった。武家社会は武家も官僚だった。本来の官は規模を縮小して京にあったが、槍刀を捨てた武家も官僚だと考えれば幕藩体制の間は官僚の官僚による官僚のための政治が延々と続いていたことになる。


 明治以降、日本は民主国家になるべく国会を開設し普通選挙を目指して改革を行ってきた。いわば明治維新以降の日本の政治史は官僚から国民の手に政治を移す試みだった。


 


 自民党政治に国民が倦んだのは、政治家が政治を行う建前にもかかわらず、実際は官僚による官僚のための政治が行われていることに気付いたからだ。


 民主党が政権交代をできたのは「国民の生活が第一」というマニフェストに多くの国民が共鳴したからだ。その先頭に立っていたのが小沢氏だったことは衆目の一致するところだ。それが摩訶不思議な事件で元秘書が次々と逮捕され、そして小沢氏も検察により強制捜査された。


 


 その結果がどうなっているのか。詳細を不明なら中田氏には今日の政治風景を論じる資格はない。官僚たる検察のリークによりどれほど酷いプロパガンダを大手マスコミが連日タレ流したか、中田氏も承知しているはずだ。その結果として現在どうなっているのか。大久保氏の逮捕嫌疑とされた西松組不法献金疑惑は訴状から消えてなくなっている。一年近く公判が開かれない間に「訴因変更」という禁じ手を司法当局は用いて消してしまった。


 石川氏の訴状からも水谷建設の一億円収賄疑惑が消えている。あれほど大手マスコミが騒いで連日テレビでもバカなコメンテータが大手マスコミのプロパガンダをなぞって小沢氏を貶めていたにも拘らずに、だ。


 


 官僚対国民の対立構造が民主党への政権交代の原動力だった。その中心に小沢氏がいたから「狙われた」と推論するのが政治家として正常な判断だろう。


 そして現在これほど捏造疑惑事件だったことがバレバレになっているにも拘らず、未だに大手マスコミの放送ガイドラインに沿ったかのような中田氏の論評にはがっかりというよりも、政治家としての資質はその程度のものなのだろうと思わざるを得ない。せいぜい現在の大手マスコミにコミットしてテレビなどの出演料を稼ぐことだ。「赤信号みんなで渡れば怖くない」というかつてのギャグそのものの世間の風潮に従って。



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