鉄道とNHKは同じインフラか。

 JR東海の元副社長でNHK会長に就任した松本氏は挨拶で「鉄道とNHKは国民のもの」と発言したようだ。果たしてそうだろうか。


 


 鉄道は国鉄民営化により全国の国鉄を分社化した。それぞれの会社が苦心して企業経営を行っている。NHKも放送インフラが未熟な時代は報道や娯楽を国民に提供してきた。


 


 しかし鉄道を利用して料金を支払うかの選択権は国民にあるのにたいして、放送が受信できる機器を設置すればNHK受信料を支払わなければならないとしているNHKとでは大きく異なる。国民にはNHKは見たくもないし料金も支払いたくないが、それでは放送を受信できる機器を設置してはならないことになる。つまりNHKを見ないということは他の民間放送まで「見てはならない」とすることだが、そんな権利がNHKにあるのかという議論だ。


 


 確かにNHKの偏向ぶりは凄まじい。何も戦前の大本営発表を論う必要はなく、自虐的史観では最近の台湾併合時代を全否定するかのような放送があった。小沢氏に関する報道も具体的な事実関係を検証することもなく「政治とカネ」なる呪文を唱え、民放他社と同じく小沢氏の疑惑を捏造し続けている。


 


 これほど放送が成熟した時代にNHKが必要なのだろうか、必要だとしたらどのような目的で必要なのか、という議論を始めなければならないのではないだろうか。料金を唯一徴収している放送局、という存在にして「視聴できる機器を設置した者」という曖昧な徴収基準は現在ほど通信機器の発達した社会で合理性を有するのだろうか。


 


 先ほど唯一有料放送局と書いたがそれは間違いだ。スカパーなどが有料放送事業を実施している。ただNHKと違うのは視聴する人だけが支払うことだ。それならNHKも視聴する人だけが支払うシステムを導入すべきではないだろうか。国民の中には死んでもNHKは見たくない、と決意を固めている人もいる。その人に対して「受信料を支払わないのなら受信できる機器を撤去せよ」という権利が果たしてNHKにあるのだろうか。


 


 一時国会でNHK受信料を支払わない人に対して罰則規定を設けよう、とする動きがあった。今では支払わない人たちに対して「支払いの請求」裁判を起こして強制的に徴収しているようだ。しかし本当にそうした権利がNHKに付与されているのだろうか。それよりもNHKもスカパーの技術を導入してキチンと契約を締結して有料放送局としての立場を取るべきではないだろうか。


 


 他の民放他社を小バカにしたような「放送受信できる機器を設置した者」から受信料を聴取するという根拠は余りに尊大に過ぎないだろうか。そしてNHKの社員の平均年俸が1000万円を超えていることも受信料支払う人たちは納得しているのだろうか。局外者で構成される「経営委員会」の意見を聴取している、とNHKはいっているようだが、限定的な経営者委員会で名足して何がどの程度検討できるというのだろうか。その中には日々の暮らしさえ困難な人は一人として入っていない。


 


 国民的な議論をNHKは受け入れなければならない時期に来ているのではないかと思うにつけ、明快な受益者負担のJRと受益者負担の原則を大きく逸脱して大きな顔をしているNHKとを同列に置くかのようなNHK会長の発言を聞いて驚きとアナクロニズムを感じざるを得ないのは私だけだろうか。



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