無理が通れば道理が引っ込む。

 日本の領海で無法を働いた者の情報を政府は国民に隠し、それを内部告発で開示した者を「逮捕すべきだった」と官房長官が言い、検察の一年半以上に亙る延べ数百人の捜査員と30億円もの経費を掛けた「小沢氏の疑惑事件」はついに正式起訴に到らないシロとの結論を出したものを、「市民」と称する検審会なる摩訶不思議な超法規的機関により「強制起訴」とされた小沢氏の処分はリンチともいうべき国会議員を巻き込んだ大手マスコミによる集団ヒステリーで「無理」を通してしまった。


 それは文字通りの「無理」であって理は無く、ことに小沢氏の場合は何処にも一片の正義も論理もない法治国家として恥ずべき無法行為を集団で行う恐怖に国民もそれほど危機感を抱かない、周到な大手マスコミの「政治とカネ」なる呪文を新聞もテレビも雑誌も去年の三月から延々と垂れ流し、国民にすっかりイメージを刷り込んでしまった。


 まともな論壇の存在する国家なら、一紙や二紙は小沢氏を擁護する報道機関が存在するものだが、この国ではすべて「赤信号みんなで渡れば怖くない」との論調の腰抜け言論人や似非評論家が大きな顔をして社会を席巻し、毎日のようにテレビに顔を出してテンとして恥じない。何とも下劣な三流国家になったものだ。


 


 そして政治だ。韓国では中国漁船の不法行為に対しては敢然と立ち向かい、しかるべき法的措置を講じている。それが国家として当然あるべき行為で、そのために国は国民から税を徴収し公務員を雇用して国民の生命と財産を守ることになっている。その一義的な役割すら放棄した菅政府は今も「不法行為を働いた中国人漁船員は地検の判断により釈放した」と官房長官がほざいている。外交権も国防権もすべて地検に渡したともいうべき「無理」な発言に大手マスコミは喧々囂々たる批判を浴びせるどころか、最初から逮捕したのが間違いだったといわんばかりだ。


 そして小沢氏に対する不当な「国会招致」騒動のゴタゴタに国民の政治に対する不満の目を逸らし、菅政府の外交・内政の素人以下の統治能力を覆い隠そうとしている。


 さらに問題なのはテレビで毎日・朝・昼・晩とバカなコメンテータが登場して碌に小沢氏の問題に関する根源的な法的論理展開もせず「小沢氏=悪」との構図を無批判に延々となぞっている。


 僅かな救いとしてはごく少数だがそれでもまともなジャーナリストが存在するし、ネットの中には健全な論理展開され言論界に対してまともな批判・批評がなされている。しかし、この国にはまともな法学者は存在しないのだろうか、まともな憲法学者は存在しないのだろうか。彼らの無言はこの国の現状をすべて容認し、馬鹿な御用学者は大手マスコミに登場して「無理を通して道理を破壊する」論壇に佞ている。


 


 多くの国民は毎日のように演じられる小沢氏への集団リンチに対して「もしも小沢氏の立場が自分だったら」との想像力の働かない、小沢氏の疑惑とは何かと「政治とカネ」なる文言の実態を知ろうともしない思考停止状態に陥っている。少なくとも大手マスコミによる「世論調査」によると8割近い国民が小沢氏に対する捏造疑惑を本当だと信じているようだ。検察が不起訴としても国会議員が「国会で説明せよ」と喚きたてる異常さに国民は気づいていないし、大手マスコミはそうした小沢氏に対する人権無視を批判しないどころか逆に煽り立てている。実に下劣な連中だ。この国にまともな言論は存在しない暗黒の時代だったと後世の評論家は平成22年のこの国の政界で起こったさまざまな策謀に驚き呆れ果てるだろう。今は自分たちの思いのままに世論を動かし猿回しのサル以下の政治家を操って小沢氏を追い詰めていると思っている「人たち」もやがて真実の光を浴びせられて醜悪な姿を世間に晒すだろう。歴史とはそういうものだ。


 現在の「無理が通れば道理が引っ込む」状態に一人でも多くの国民が気付いて「赤信号をみんなで渡っている」隊列から離れてじっくりと誰が扇動しているのか観察して欲しい。



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