マスコミ世論と民主党政権の官僚制内閣への批判だ。
北海道5区であった補欠選挙で町村氏が当選したことから、マスコミは小沢氏の「政治とカネ」問題が敗因とする論調一色となった。だが本当の敗因はマスコミによる世論操作にあったと思われる。なぜなら小沢氏の「政治とカネ」などという問題は存在しないからだ。それが証拠に検察は何度も不起訴判断している。ただ「市民」と称する検審会委員だけが起訴としたに過ぎない。それも「裁判で白黒つけろ」という飛んでもない論理による愚挙によってだ。
町村氏が当選したとマスコミが囃し立てるほどの事なのだろうか。自民党内最大派閥の領袖で大臣経験者と民主党の新人との戦いで、しかも前回勝利した民主党国会議員が選挙違反で辞職した補欠選挙だ。町村氏に圧倒的に有利な状況下で3万票の差とは、むしろそれほど喜べない票数ではないだろうか。
大マスコミはそれほど大きく報じていない変化として、出口調査で何を基に投票したかという調査で「政治とカネ」を挙げた人が58%だったことだ。以前は80%を超えていたが、今回は60%を割っている。しかも前国会議員の辞任理由が「道教祖の政治献金」問題だったにも拘らずにだ。
確かに選挙資金として団体が後援会に献金するのは公職選挙法で禁じられている。だから自民党なども党の地方組織でいったん受け入れて選挙後援会へ党からの選挙資金として出していた。これなら違法ではない。しかし両者にどれほどの違いがあるというのだろうか。公職選挙法には普通の常識でははかれない妙な規定がたくさんある。
とにかく小沢氏の「政治とカネ」問題を挙げた人が58%に減少した。これは世論の潮目が変わってきたことを現している。大マスコミがテレビまで総動員して連日流し続けた小沢氏の「政治とカネ」キャンペーンにもかかわらず、国民はその報道の胡散臭さに気付き始めているのだ。それはネットによる小沢氏の一件に対するまともな分析と検察・マスコミ批判の書き込みにある。国民が次第に小沢氏の「政治とカネ」なる問題は作られたものだと分かってきたのだ。
小沢氏を国会に招致せよと騒いでいるバカな政治家でも事件とされている事柄を子細に検討すれば小沢氏に事件として問うべきものは何もないと分かるはずだから、彼らは何も検証せずに大マスコミの尻馬に乗って騒いでいる街のミーちゃんハーちゃんと何も変わらない。本当に愚かな連中だ。
国会議員ならそうした検察ごっこをするよりも、本気でこの国の景気と経済のことを議論すべきだ。年末にかけて景気が息切れするのは目に見えている。通貨当局も円高対策にも無策のまま一向に円安へ舵を切ろうとしないが、彼らが国内景気停滞の元凶だという問題意識のなさが問題だ。国会議員なら国民生活をまず安寧にすべく政策議論を戦わすのが一義的な使命だ。
大マスコミは北海道五区の結果を針小棒大に騒ぎ立てて「民主党の凋落」を論うだろうが、大派閥領袖の現職国会議員があの程度の勝利で本当に勝利なのか真剣に考えた方が良いだろう。
潮目は変わった。検審会の胡散臭さも国民に分かってきただろうし、テレビで平均的な勤労者一月分を一回の出演ギャラで稼ぐコメンテータがいかに出鱈目な発言をしているかも分かってきたようだ。新聞やテレビが必ずしも真実を報じているのではない。時には特定の勢力の手先として幇間まがいのことをやっている。時には特定の勢力に都合の良い世論操作をやったりしている。そうした胡散臭さに国民は気づき始めた。たとえばあれほど騒いだ焼却炉ダイオキシン騒動は何だったのか。たとえば今も中国の反日デモと大々的に報じているデモの実態が100人、200人程度のものに過ぎなかったが、そうした実態はほとんど伝えないで大きく反日の動きばかり日本国民に伝えているのはなぜなのか。
真実を知ってくれば国民世論も変わって来る。以前なら田中角栄氏のように圧倒的な大マスコミの報道によって小沢氏も抹殺されていたかも知れないが、いまでは普通の国民も特定の勢力で操作できないネットを手にしている。大マスコミのキャンペーンも、それが世論操作のものであればたちどころに化けの皮が剥がれて真実が露呈する。小沢氏の謀略騒動も検審会起訴によりかえって国民に広く知れ渡ることになるだろう。