小沢喚問は国対の道具なのか。

 検審会の「法と証拠」に依らない、どのような市民か分からない「市民目線・市民感情」による起訴を認めるのかどうかという議論もなく、国会は検審会議決を金科玉条として小沢氏を招致しようとしている。その態度は立法府の一種の思考停止とでもいうべきもので、この国の最高機関というにはあまりにお粗末だ。


 


 ネットでは見識に満ちたいろんな意見が交わされ、極めて常識的な判断がなされているが、全国紙を中心とするテレビなどのマスコミで議論されている小沢氏に関する論点は依然として的外れのままだ。概ね「政治とカネ」という括り文句を連呼するだけで、中身をしっかりと説明しようとはしない。たとえ説明したところで検審会の見解を述べるに止まり、その真偽について極めて明快で疑惑の欠片も存在しない土地取引に関して、土地取引の経過を公的に示す土地の「登記簿謄本」を提示して町の不動産屋の見解すら聞こうとしない。


 


 町の不動産屋に聞けば分かる話だ。実務を行っている人たちならどのような事由があれば「所有権移転の仮登記」をし、そして所有権移転まで二ヶ月程度どのような理由から掛ったのかは丁寧に説明してくれるだろう。それを司法試験に合格したヤメ検が眉間に皺を寄せてさも問題があるがごとく装うほどのことではない。それほど高度な判断が必要な事案ではないのだ。


 


 小沢氏の三人の秘書が逮捕・起訴された「不実記載」や「虚偽の記載」とされた政治資金収支報告書に関しても、収支報告書そのものが実に杜撰な記載要件の単式会計帳簿で到底公判に使用されることを前提としたものとは思えず、しかも記載する会計基準すらなく案件ごとに簡単な例記が示されている程度の代物だ。当然のように仮受金や仮勘定は記載要件とされてなく、したがって小沢氏が個人的に「陸山会」に貸し付けた不動産購入資金は記載されていなくても問題とはされないはずのものだ。そしてその貸付金を返金すべく「陸山会」が銀行から借り入れして記載したのは当然のことでなんら問題はなく、「お金があるのに銀行から金利を支払って借り入れるのは不自然だ」という判断を下しているのは町工場程度の企業経営実務すら知らない小学生程度の知能でしかない。


 そして個人資金4億円の出所が怪しいというのも的外れだ。検審会委員が怪しいと思うのは勝手だが、優秀な国税当局が問題にしていないということは何も問題がないという証拠だ。かつての脱税事件はすべて国税当局の告発を受けて検察が動いているのであって、検察が脱税を摘発して国税当局が課税するのはほとんど皆無だ。検察は勿論のこと国税までもが問題としなかった小沢氏の個人的な資金の出所を検審会委員が問題として強制起訴に含めるとはどのような料簡からだろうか。検察が不起訴判断にも含めなかった自明の事を検審会は審査事項に含めた上で、審査範囲を逸脱した主旨で小沢氏を起訴するとは、荒唐無稽なインネンをつけて善良な市民を袋叩きにするチンピラのカツアゲ以下の暴力行為だ。


 


 このような単純明快なことを全国紙をはじめテレビで結構なギャラを頂戴しているMCや学識経験者とされるコメンテータたちは「政治とカネ」との括り文句ばかり繰り返して、国民に小沢氏が疑惑にまみれているとのイメージを刷り込み続けている。


 一昔前「赤信号みんなで渡れば怖くない」というギャグが流行った。今では「冤罪捏造みんなでやれば怖くない」とばかりに、全国紙をはじめテレビは冤罪作りに手を貸し続けている。いつの日にか小沢氏の無実が確定した暁には彼らは素直に名誉棄損を詫びて損害賠償に応じ、とっととマスコミの場から永久に去ることだ。新聞に書きテレビで発言する自由は憲法で保障されているが、それと同時に重い責任も背負っている自覚がなければ無責任なプロパガンダの「南京虐殺30万人説」を流布している人たちと同じ程度の存在でしかない。その程度の人たちがこの国を代表する全国紙に記事を書き、大きな顔をしてテレビで毎日喋っているのだ。当然、彼らの犯罪的行為が確定した暁にはそれ相応の責任を取るのは公器を利用して飯を食っている者の義務ではないだろうか。そして馬鹿げたマスコミの尻馬に乗って騒いでいる思考停止の国会議員も自ら不明を恥じてバッジを外して田舎へ帰ることだ。


 威勢良く記者会見で「小沢氏よ水沢へ帰れ」と言った元小沢ガールの自民党の小池女史よ、貴女の発言を我々は忘れない。



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