日米統合軍事演習は望ましい。
中国軍が尖閣諸島に上陸した場合を想定して、日米が島嶼部奪還を想定した日米統合演習を行うという。大変望ましいことだと心から歓迎する。これまでは中国を刺激しないでおこう、との立場から露骨な仮想敵国を想定した日米統合の島嶼部奪還上陸作戦軍事演習は行ってこなかった。しかし中国が露骨に尖閣諸島に対して領土的野心を露わにしたため、日米は「刺激しないでおこう」とする姿勢を転換したようだ。
二者間で争いが生じた場合、日本人は何事も「刺激しないでおこう」とか「穏便に済ましておこう」としがちだが、そうした習性は日本国内でこそ通用しても、世界では自信のない弱腰の外交としか受け取られない。何処の国でも二国間で争いが生じたら、まずは大声で自分の言い分を120%も主張し、その上で鎮静化へ向けて努力を始める。最初から事態の収束をはかったら、相手の言い分を聞き入れて譲歩するしかない。
日本は絶えず譲歩してきた。あるいは黙って事態の鎮静化を図ってきた。さして常に我慢を強いられてきたし、二国間の紛争では不利益を呑まされてきた。
しかし尖閣諸島に関して、中国の盗賊行為に対して決して譲歩することは許されない。いかに中国が言い募ろうと、尖閣諸島は明確に日本固有の領土であり、中国のものとする史実は何もない。
「白髪三千丈」は誇大な比喩だと誰にでも分かるし、現実にはあり得ないと認識している。日本でも「目玉が飛び出る」とは驚きの比喩だと分かっているし、実際に病理の一種だと認識している者は皆無だ。しかし「南京大虐殺で30万人を殺した」とするプロパガンダは「もしかしたら本当か」と史実を知らない者は惑わされてしまう。
実際には日本軍が進駐した折に南京にはドイツ人記者やイギリス人宣教師がいて、南京市内で見聞したことを書き記している。彼らは決して日本の大本営発表を世界へ喧伝する人たちではなく、むしろ日本軍に対して批判的だった。その人たちにしても「南京大虐殺があった」とは書き残していない。そもそも南京には二十万人程度しかいなかったし、戦闘を逃れて来た避難民を合せても25万人程度しかいなかった。それを30万人も殺すのは不可能だし、南京へ避難して来るのは南京が安全だという証拠だ。
韓国も中国も領土問題に関して日本固有の領土を国民に自分たちの領土だったと教え込んでいる。ロシアもそれに倣って北方領土は「正当な」ロシア領土だと国民に教育しようと企てているようだ。嘘をつき続けて国民を騙すのはその国の事情かも知れないが、それに日本が付き合う必要はない。誇大な嘘に対しては日本政府は「事実と異なる」として史実を挙げて国際的な場で非難すべきだ。温家宝は恥知らずらも国連の場で「尖閣諸島は中国のものだ」と主張することによって言葉上で尖閣諸島への足掛かりを国際的に得ようとした。大国の中国にして、そこまでやるのが領土問題だ。決して一寸四方たりとも譲歩してはならない。
さて、米国はどの程度まで本気なのか。日本の島嶼部を守ることが米国本土防衛に直結すると認識しているのだろうか。それとも日本からより多くの用心棒代をせしめるためのお為ごかしなのか、冷静に見極める必要があるだろう。