政倫審に出なければならない理由はなんなのだろうか。

 小沢氏が「強制起訴」の流れを受けて国会では最低でも政倫審に出て説明すべきだとする動きがあるようだ。しかし何を説明せよ、というのだろうか。検察が一年半も掛け30億円もの費用を投じて捜査した結果、小沢氏を不起訴とするしかなかったのだ。


 小沢氏の元秘書が逮捕・起訴されているではないか、と指摘する声があるが、三人とも有罪判決を受けているわけではなく、まだ公判中だ。しかも無罪となる可能性も高く、検察が大騒動しマスコミがリーク情報を垂れ流して小沢氏への疑惑作りに奔走したが、元々なかった「政治とカネ」なる疑惑はないのだ。


 


 小沢氏に政倫審に出て説明せよ、と言っている人たちは小沢氏に何を説明せよと言っているのか、具体的に指摘しなければならない。ただ漠然と「政治とカネ」という小沢氏に着せられた冤罪濃厚なキャンペーンのスローガンで指摘するのなら、マスコミをまず呼ぶべきだろう。マスコミが小沢氏にその文言をつけて散々報道したのだ。彼らにこそ訊く必要がある。検察は小沢氏への不起訴処分とした記者会見で「起訴すべき事実はなかった」と説明したようだが、記者クラブに加盟し検察記者会見に出席したマスコミはそのことをしっかりと報道しなかった。そして不起訴処分後も小沢氏に「政治とカネ」なる疑惑があるがごとく報道し続けた。


 


 この度の検審会の「強制起訴」議決は問題のある議決根拠に基づいていて、まともに法律を学んだ者なら無効とすべきと判断する代物だ。だから小沢氏は無効の行政訴訟を提訴することにしたのだ。さっそく「政治とカネ」を煽ってきたテレビの政治評論家などは「最高裁までかかるでしょうな」とコメントしていた。彼らに小沢氏の基本的人権蹂躙の態度には怒りを覚える。


 検察が「法と証拠」に基づき不起訴とした事件を正体不明な市民の11人が検事の説明と補助員と称する弁護士の助言で法的に無効な馬鹿げた議決を出した。その有効性を争えば最高裁までかかる、とテレビ朝日のコメンテータはのたまったのだ。愚かしいことこの上ない。そもそも行政訴訟は最高裁まで争うことなのか。


 


 現在の検審会制度は明らかに問題がある。検審会委員以外の市民には誰かまったく分からない人たちによって、秘密会で審議されるとしているが議論の内容はおろか審議経過すら分からず結論だけが出される。その結論には強制起訴という強権行使が付与されている。なんとも恐ろしい制度といわざるを得ない。司法当局に含むところがあれば何でも出来る仕組みになっているのだ。これほど非民主的な制度に強制権を持たせるのは法的に問題があるのは指摘するまでもない。これでは戦前の治安維持法と特高警察そのものではないだろうか。司法当局が睨めば誰でも起訴されることになる。


 


 小沢氏の元秘書三人が逮捕・起訴され、小沢氏が強制捜査までされた事件についてはこのブログで何度も取り上げてその欺瞞性について指摘してきた。別筋の事件を捜査するための別件逮捕だと指摘されても仕方のない微罪をでっち上げて検察が行った無理筋の事件だった。おそらく三人の元秘書は次々と無罪になるだろう。小沢氏も無罪になったとして、誰が小沢氏に与えた政治的・精神的損害の責任を取るのだろうか。そして政局に与えた小沢氏排除の責任は取りようもないほど重いものだ。こうした暗黒を検察とマスコミが作ったとしたら彼ら関係した者は検察とマスコミから永久追放されなければならない。自分たちの職責と付与されている権利を使って政治家の自由な活動を大幅に妨害した罪は余りに大きい。現在の新聞とテレビ局が大きくコミットしたマスコミ体制の解体をも考察しなければならないほどの大問題だ。そうしなければこの国はマスコミが攻撃を始めたらたとえ無実の人でも簡単に疑惑の人に様変わりする。違った立場で報道するマスコミは皆無だった。かろうじてネットの中だけでまともな検証と議論が行われていた事実を我々はマスコミに突きつけなければならないだろう。


 


 それにしても国会議員が故意かそれとも愚かなのか、小沢氏に「政治とカネ」なる文言をいまも突きつけているのには驚きを禁じえない。ネットの中ではネタ元の割れた冤罪だとはっきりしている事件なのもかかわらずに小沢氏を攻撃し続けている国会議員は不勉強もここに極まったといわざるを得ない。この程度の連中が国を動かし国を代表して世界に発信していると考えると怖気をふるう。



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