与謝野氏の見解は国会議員の最低限の良識だ。

  小沢氏の強制起訴を議決した検審会の怪しさを解明しようともせず、いたずらに起訴議決に悪乗りして「国会招致だ」と騒ぎ立てるのは良識ある行動とは言い難い。


 そもそも小沢氏は検察で不起訴となっている。それを検審会が強制起訴して「裁判で白黒つけろ」と言っている。自分たちで白黒つかないものなら「疑わしきは被告人の利益」という刑事訴訟法の精神すら理解していない検審会委員の非常識をまず問題とすべきではないだろうか。


 


 法定手続きがすべて正しいとするのなら、国会に立法の権能は必要ないことになる。民主的な法治国家は最低限の要件として法的手続きが第三者による検証が可能な仕組みを具備していなければならない。検審会はまさしく市民の意思を検察に反映させようというのなら、それ以外の行政・司法への市民参加よりも一段と公明正大な民主的手続きに依らなければならない。さもなければ検察が不起訴としたものを検審会という法的責任を伴わない「市民」という幽霊に裁かす手段を司法当局が手にしたことになりかねない。もちろん幽霊の正体は枯れ尾花ではなく国家権力(検察)そのものということになる。


 


 このような検審会の横暴にして秘密主義に危惧を抱かない国会議員とは何者だろうか。いつどのような理由から自分たちも検審会議決で起訴されるか分からない状態にあるという危機感を抱かない政治家とはその国家権力が相手にしない程度の者か、余程鈍い感覚の持ち主だろう。


 百歩譲って小沢氏に明らかな嫌疑があるとして、国会議員が小沢氏を国会に招致してどのような取り調べをするというのだろうか。にわか仕立ての捜査員が単に聞くだけなら時間の無駄だ。すでに検察は不起訴としている。専門家たる検察が30億円もかけて捜査した以上の情報を国会議員が手にしているというのだろうか。もしも確たる証拠を掴んでいるというのなら検察当局へ提出するのが筋で、やはり小沢氏を国会に喚問する意味はない。


 


 これまで何人も政治家を国会に喚問して聴取してきたが、一度として新しい事実がポロリと出ただろうか。単にいきり立った野党議員のパフォーマンスの場として利用されたにすぎない。そんなバカバカしいことに国会の日程を費やすことに何ら益はなく、むしろこの国の国民生活と国家のために真剣な議論を戦わすことが必要なのはいうまでもなく、そのためにこそ国会議員は歳費を頂戴して国会にいる。下手な検察ごっこに現を抜かす暇はないはずだ。



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