医療法人のPCが。
身内が救急で独立医療法人(旧国立病院)へ担ぎ込まれたので駆け付けた。一通り見舞ったのち医師からアカウンタビリティを受けるために彼の部屋へ入った。そこで机上に鎮座している古ぼけたPCを見て驚き、なおかつ基本OSがWin2000なのには二度驚いた。
いうまでもなくWin2000はmsによるサポートを終了している。そのためちょっとしたハッカーでも突破できるほどのセキュリティだ。それを独立医療法人が使っているのには驚くと同時に、医療法人の理事長や理事、さらには監督すべき日本の国家は個人情報の保守・管理のありように関してどのように考えているのだろうかと首を傾げた。
野放し、というのが日本の個人情報管理の実情ではないだろうか。医療という個人情報でも機密を要する部分でこの程度の扱いだ。確かに医療費は総額で35兆円を超えているが、システムとしてカルテの電子化を実現すれば医療費の事務的経費の無駄が随分と省けるはずだ。
それにしてもPCの中で動いているソフトがいかにも時代遅れを窺わせるインターフェイスだったのにも驚いた。さぞかし高額な開発費を吹っ掛けられたはずだが、ヘタなフリーソフトの方がよほど洒落ている。全国の医療機関が総額でどれほどのソフト開発・保守費を支払っているのか試算し、それを国家が行って全国の医療機関が電子カルテの使用と同時に最新・最強のソフトが使えるようにすれば良いだろう。
IT化の目的は事務のスピード化と同時に無駄の排除とフォーマットの統一にある。この際、国家によるクラウドコンピュータの構築と運営を行って民間にも有料で利用させ商売にするのも一つの手かもしれない。国家として今後の情報管理のありようと利用をどうすべきか、専門家を集めて真剣な議論を行う時代になっているのではないだろうか。