願望と真実との混同か。

 元財務大臣の藤井氏は小沢氏の側近だったが、財務大臣に就任するとたちまち官僚に取り込まれてしまった。そのため小沢氏に睨まれて辞任せざるを得なかった経緯を持つ人物だ。


 小沢氏は極めて順法精神が強く、原理原則を曲げてしまうのを極端に嫌うようだ。つまり昨年夏の衆議院選挙で小沢幹事長が掲げたマニフェストを勝手に改変するのは許せない行為と目に映るようだ。


 


 彼も自身が68歳という齢を認識しているだろう。残された時間はあまりないと考えざるを得ない。首相として世界を飛び回るには70を過ぎてはきついと考えざるを得ないだろう。そうしたらこの代表選が最後の機会だ。彼が政権の中枢にいた座り心地の良い場所を投げ捨てて自民党を離党したのは何のためだったのか。仲間と共に長い野党暮らしで味わった悲哀は何のためだったのか。「壊し屋」と呼ばれ「権力亡者」と呼ばれ「影の実力者」と呼ばれても、彼自身は一言も弁明しなかった。そして彼ほど弁明の似合わない政治家も珍しい。


 


 鳩山氏は米国に恫喝されて「学べば…」と弁明したが、小沢氏なら一言も発せずに辞任しただろう。そうした美学を彼は持っている。それゆえ、他人に対しても厳しいのだ。


 今回の代表選挙ははからずも彼の政治家人生の総仕上げ時期と重なってしまった。菅氏の融通無碍の官僚に委ねる政治を看過するのは死ぬほど辛いに違いない。彼の師を政治界から追放したのは紛れもなく官僚たちだ。この国を実質的に支配する官僚と民主的機関として言い訳程度に存在するに過ぎない国会のありかたを、本来の姿に戻すのが小沢氏の最後のご奉公だ。


 


 藤井氏は財務大臣に就任して古巣へ戻って官僚たちから奉られて好い気になり、民主党が為すべき使命を忘れ小沢氏の逆鱗に触れた。その人のコメントを前面に出すとは大マスコミの意図を勘ぐらざるを得ない。つまり大マスコミは小沢氏が代表選に出て欲しくない、ということなのだろう。それもそうだろう、あれほど小沢叩きの検察情報タレ流しを一年半以上も続けたのだ。当然、小沢氏が首相になればどのような報復を受けるか、身も凍るほど縮々こまざるを得ないだろう。


 


 さて小沢氏が代表選に出るか否か、いろんな評論家や政治家が当たるも八卦とばかりに予測しているが、出て欲しいから「出る」と断言しているのはこのブログだけだろうか。


 この国の向こう三年を考えてみただけでも、仙谷氏とタックルを組む菅氏には「朝鮮併合百年談話」一つをとっても早々に退陣して戴きたい。彼らが政権中枢にいて百害あっても一利もないのは明白だ。それかといって永田氏を自殺に追い込んだ状況判断のできない前原氏や、外務大臣でありながら外交は外務官僚に丸投げの岡田氏も首相の器には程遠い。


 


 可愛いだけで腹話術の人形のような総務大臣も首相になるにはまだしばし雑巾掛けをしなければならないだろう。そして「百年談話」に関与した仙谷氏は論外だ。恐ろしいほどに国益や世界の常識などが彼の頭脳から欠落している。政治家としてよりも人間として致命的な欠陥を抱えているといわざるを得ない。それが元社会党だからといえば、元社会党の人たちから「俺たちはそれほど非常識ではない」と怒られそうだ。そうして消去していくと残るは小沢氏だけとなる。必ずや小沢氏は立つとみるが、果たして現実はどうだろうか。今月末まで見守るしかない。



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