なんと偏向した評論家が集められるものだ。

 午前中のNHK番組を視聴していたら全般的に一定方向の議論に流れている危険性を感じたが、一つのテーマで彼らが滅茶苦茶な議論を積み重ねるのには驚いた。


 


 若い独り者の母親が二人の子供を一月も放置して死に至らしめた問題で、紋切り型の発言に終始していた。その背景として貧困や女性の就労環境や高い離婚率に適応していない社会など、詰まるところ子供たちを顧みなかった母親の責任はほとんど追及されなかった。


 


 離婚率が上昇するのは価値観の多様性からやむを得ない、とする意見にも疑問を感じた。その一方で日韓は理解し合おう、とするのはアンチテーゼではないのか。そうではないだろう。価値観が異なることと伴に暮らせないこととは別物だ。


 極端なことをいえば、ぺツトと一緒に暮らすのは価値観が同じだからなのか。それは明らかに異なるだろう。だから「価値観が異なるから離婚率が高くなって当たり前」と発言した若い批評家は間違っている。


 そうではなく、男女間の問題でも社会と個人との問題でも、耐性が低下しているような気がする。つまりかつては「協調性」のなさとして批判された「キレル」ということにしても、今では肯定的に「自己主張」の一つとして格好良いと歓迎される風潮すらある。相手の立場を考慮して受け容れ、少しは我慢しようとする態度に欠けるのではないだろうか。


 


 そして議論は更に誇大妄想の様相を呈して、格差社会と貧困社会は異なる、とか言葉の遊びに走り観念の捏ね回しに終始した。子育てを放棄して子供をマンションに閉じ込めて一月も放置したのは明確な弁護の余地のない殺人だ。その事実を忘れてシングルマザーの貧困問題にすり替えてはならない。世の中にはシングルマザーで、あるいはシングルパパで懸命に子育てをしている大勢の人たちがいる。それに対してサポートする仕組みを日本は法的に具備しているが、それを実施する段階の人たちが責務に対して真剣に取り組んでいないとしか思えない。


 付近の住民が異様な子どもたちの泣き声を聞いて行政に電話していた。それに対して児童相談所の担当者は三度も訪問したが、実効的な対策を何も講じなかった。そこに個人情報保護だのプライバシー保護だの、そうした壁があったとノーテンキなことを評論家はいっているが、職務に忠実であれば親が阻もうと侵入して子供を直に確認すべきだった。それで訴えられれば行政は全力で職員を支援すべきだ。


 


 どうしても経済的理由で育てられなければ行政に相談すべきだった。子供を放置して死にいたらしむる理由にはならない。そうした原点を忘れて、社会の病理だ、いや貧困格差社会の縮図だ、女性の社会的差別だ、と早口で論じ合って、ことほど左様な番組をダラダラと流すNHKには愛想が尽きた。


 戦前・戦中にNHKはどのような報道を国民にタレ流したか。そして韓流ブームの火付け役を果たし、莫大な放送権料を支払って現在も韓国ドラマを放送している。それだけのお金と放送枠があるなら、なぜ国内の若い無名役者や名を知られていない劇団を番組に登場させないのだろうか。基礎をしっかり積んだ次世代の発掘をしないで、出来合いの人気者を登場させるだけの薄っぺらな大河ドラマにはうんざりだ。


 


 少なくとも一つのテーマについて議論を展開するのなら、異なる立場の異なる意見の持ち主を集めるべきだろう。どこにそうした人物がいるのか分からなければ、この「イザッ」のブログを読めば多種多様な一言居士が綺羅星のように存在していると分かるはずだ。ディレクターの狭い人間関係の中で人選するのを止めたらどうだろうか。



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