小沢氏に関する「疑惑」とは具体的に何か指摘せよ。

 またぞろ小沢氏が動こうとするとこの手の記事が紙面に登場し、馬鹿なMCやコメンテーターが「政治とカネ」の問題がある、と思わせぶりな解説をする。しかし何度もこのブログで書いたことだが、小沢氏に関して検察は二度も「不起訴」とした。たとえ起訴しても公判を争うほどの法的根拠も証拠もないと判断しているのだ。


 検審会があるではないか、という向きには「法と証拠」に依らない国民世論で起訴するとするのなら法治国家として汚点を残すといわざるを得ない。しかも世論なるものが検察の思い込み(中堅ゼネコンから受託収賄があるのではないか)から強制捜査まで行った挙句のことだ。その間、大マスコミは大本営発表をそのまま無批判にタレ流し国民に「小沢氏はクロ」との刷り込みを懸命に行った。


 検察が小沢氏を不起訴とした段階で、検察は記者会見して自分たちの無理筋捜査を詫び、大マスコミも一連の垂れ流し報道を反省し一年半に遡って垂れ流した個々の記事を検証してそれに対する訂正記事を一纏めにした特別号を出すべきだった。一連の問題に対してケジメをつけていないのは検察であり大マスコミだ。


 


 考えてもらいたい。あなたがある日突然身に覚えのないことで警察から取り調べを受け、さらに突如部屋をガサ入れされたとする。そして「何もなかったから」と警察に言われて「そうですか」と済ませられるだろうか。その間、マスコミがあなたのことを犯罪者であるかのように連日報道し、テレビで「あなたは限りなくクロだ」とコメンテーターがしたり顔でしゃべり続ける。挙句に起訴すらされなかったとして、近所の者から警察の取り調べを受けたからには「説明責任がある」として「町内会で説明しろ」と責められたらどうだろうか。その上テレビで「シロではなく灰色だ」とその後も無責任なコメンテーターが言い続けたとしたら、あなたはどうだろうか。


 


 それでも秘書が三人も起訴されているではないか、と指摘する人がいる。確かに政治資金規正法で起訴されているが内容は「不実記載」だ。この件に関しては以前に何度もブログに書いてきた。それを参照してもらいたいが、取るに足らない件で検察は起訴し、大マスコミも取るに足らないことを針小棒大に報道しているに過ぎない。


 そもそも政治資金規正法に基づく収支報告書は監査人による監査すら義務付けられず、代表者の署名捺印も求められていない。さらに報告書の記載は概ね現金主義で不動産売買などの日付確定の基準すら示されていない。その程度の収支報告書への不実記載(石川氏の場合は記載そのものはあるが二ヶ月のタイムラグがあって期を跨いだ、という犯罪だ)が身柄を拘束され起訴されるほどのことなのか。不動産の取得期日については会計学者の間ですら様々な異論のあるところだ。売買契約日を以て記載するのか、決済日を以て記載するのか、それとも第三者対抗要件たる登記終了日を以て取得日とするのか、記載の期日が二ヶ月程度ズレるのは解釈の相違だ。全く記載されてなければ問題かもしれないが、記載されていれば二ヶ月程度のことで検察が動いて秘書を逮捕し身柄を拘束するほどのことでもない。つまり検察は無理筋の「中堅ゼネコンの受託収賄」を立件する突破口として秘書を別件逮捕する、という違法行為を働いたのに間違いないだろう。


 


 違法性は検察にあり、小沢氏に何ら違法性はない。だから小沢氏が「不起訴を以て説明できている」というのは検察への温情であって、説明責任を果たしていないという国会議員やマスコミはそうした事の本質が分からない愚かな連中だ。どうしても「説明責任を果たせ」というのなら国会に呼んで聞くべきは検察であり大マスコミのしかるべき責任者だ。


 今も「疑惑」だ「政治とカネ」だと紙面を賑わす大マスコミは小沢氏を叩くことによって何かを期待しているとしか思えない。真実の報道とは遠く乖離した国民世論を操作するデマローグに近い、報道の自殺行為をなぜこうも連綿と続けるのだろうか。彼らはこの国が保証している報道の自由を棄損し、個々人の基本的人権を蔑にしている自覚すらないのだろう。その程度の者は言論人としての資格すらなく、さっさと筆を置いて新聞社から去るべきだ。



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