代表選回避をすべきではない。

 民主党の党規約に基づく代表の任期満了による代表選がそれほど大騒動になることなのだろうか。鳩山氏はどのような思惑から菅氏と小沢氏との調停役に乗り出したのか、その真意を図りかねる。民主党は民主的に代表すら決められないし、代表選を実施すると分裂しかねないほど脆弱な政党なのかと、代表選を回避した場合には今度は掌を返したように大マスコミ各社がここぞとばかりに非難の集中砲火を浴びせるのは明らかだ。そうした脇の甘い、党内事情を優先するような策動はしないことだ。


 すでに今朝(8/31)の新聞では話し合いで代表選回避しようとする動きは「開いた口がふさがらない」と批判の嵐だ。代表選を実施しようとすると「政治とカネ」疑惑のある小沢氏が出るのはいかがかと牽制し、今度は密室政治だと批判する。批評家とはご都合主義の最たるものだと、批判せざるを得ない。


 


 民主党の代表選挙は国民総員が参加する選挙ではない。民主党員と民主党国会議員による選挙だから、大マスコミが世論操作に使う「世論調査」は代表選の結果にあまり関係しないといえる。そうした大マスコミの操作した「世論調査」とは関係なく、民主党の代表としてこの国の首相として民主党が託された政権でどのような政策を実現していくのかが問われる選挙だ。自民党が大マスコミによる世論調査で支持率の低下した総裁の首を何度も挿げ替えたことから、大マスコミの実施する大マスコミの報道に影響された世論を調査して、自分たちの報道により誘導された結果を政治家に突きつければ首相は交替する、と学習してきた。だから今回も支持率が低く出れば小沢氏は出られないだろうと高を括っていた。それが出ると表明したものだから、馬鹿なコメンテータが「支持率の低い小沢氏が代表に出ても良いのか」という逆転した発想をテレビカメラの前で口にしてしまった。彼ら大マスコミ関係者がいかに思い上がっているかの証拠だ。


 


 ふたたび繰り返す。民主党は党史に「密室で代表選の取引をした」との汚点を残してはならない。もはや理由は何であれ、小沢氏が退くことは「密室取引の疑惑」以外の何ものでもなくなった。本気で調停するつもりなら、鳩山氏は隠密行動を徹底すべきだった。菅氏との会談後に記者会見するなどは論外だ。そして何処かから菅氏と鳩山氏との会談が漏れても「会っていない」ととことんシラを切るのが常道だ。そうしたこともなく、舞台裏までさらけ出して、そのような調停に乗るほど小沢氏が愚かだとは思えない。少なくとも菅氏や鳩山氏ほど愚かではないだろう。だから鳩山氏の調停には乗らないと思うし、小沢氏や菅氏、鳩山氏の名誉のためにも小沢氏と菅氏は立候補して正々堂々と代表選を党規約に則って実施することだ。


 


 どちらかが代表となって党が分裂したとしても仕方ないだろう。姑息な妥協による代表選回避という汚点を残すより党分裂により民主党が消滅する方がすっきりするだろう。だが歴史を振り返ってみると、政権与党が熾烈な党首の座を巡って争っても分裂したことはない。唯一小沢氏が自民党を割って出た以外には。


 それほど政権与党は甘い蜜なのだ。だから代表選後に民主党が分裂するなどと心配することはないし、唯一の例外を作った小沢氏にも当時の若さはない。民主主義とは意見の違うものが選挙で争い、多数を得た者が代表となり全体を纏めていくことだ。民主党が結党の原点に帰って選挙を止めるより、民主主義の原理に従って代表選を実施することを望む。そして党員と党所属の国会議員によって党規約に従って選ばれた代表が政治を行うという真っ当な民主主義が機能することを心の底からこの国のために望む。



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