気の緩みはなかったか。
宮崎県の口蹄疫感染が県央沿岸部から鹿児島と接する都城市へ飛び火した。終息に向かっていると思われていたものが突然飛び火したのはなぜだろうか。防疫体制に盲点はなかったか、殺菌未処理の車が走っていたりしなかったか、徹底的な検証をしなければならないだろう。
都城市で何としても食い止めなければならない。鹿児島は黒豚で知られるように日本有数の養豚県だ。鹿児島県へ感染拡大するととんでもない事態になる。極めて感染力の強い口蹄疫は初期対応が最も大切で、一旦感染拡大すると例えば2001年に英国で流行した折には400万頭もの牛や豚が殺処分された。
宮崎県で感染拡大した口蹄疫がどのような経路で菌が感染移動したのか明らかにされていないが、初期動作の遅れた県の対応は問題だ。県知事が国の対応策を要求するのは分かるが、何よりも初期対応をしっかりしていれば一ヶ所の畜産農家だけで抑え込むこともできたはずだ。口蹄疫と疑わなかった県畜産保健衛生所の担当者たちの気の緩みを指摘しなければならないだろう。
感染症対策の当事者は都道府県知事だ。世界でも地方政府が防疫体制を機敏に敷き、地方政府内で抑え込むというのが常識だ。マスコミも国の責任を追及するよりも現地での防疫対策を検証し、感染拡大防止に全力を注ぐべく現地の責任所在を明らかにすべきだろう。いたずらに見当違いの国を責め立てて政局マターにした責任をマスコミも痛感すべきだ。
それにしても非常事態宣言までした宮崎県で飛び火感染したのはなぜだろうか。宮崎県は気を引き締めて徹底した防疫に全力を注がなければならない。