いよいよ参議院選挙の告示だが、

 バブル以後「失われた20年」という言い方がある。政治の世界でも政権交代以後、この八ヶ月は何だったのだろうか。民主党政権は勢いよく「日米対等」と狼煙を上げたが、あっという間に親米官僚とマスコミに叩き潰された。日本国内の米軍基地であるにもかかわらず、行政府の長が一ミリも動かせないという醜態を世界に見せてしまった。勘違いしてはいけない、「ルーピー」と笑われたのは鳩山氏だけのことではなく、米国に頭の上がらない日本国民のことも含めてのことなのだ。


 


 日本国民の本心を見せるせっかくの機会だった。米軍基地は逐次日本から撤退してもらって、日本の国土は日本国民が守る、と世界へ向かって明言すべきだった。そして米国が辺野古をあきらめるまで繰り返し沖縄の過重な基地負担を米国と米国民に説明すべきだった。首相が出掛けて行って話すべきは沖縄ではなく米国政府だ。飯のついでに10分間だけ話す、と言ったらさっさと帰ってきて「思いやり予算」を思いっきり削減すれば良い。相手を思いやる心のない国の軍隊に、なぜ日本だけが思いやらなければならないのだろうか。


 


 そうした過程を踏んでいれば、民主党政権に対する世間の風向きは大いに変わっていただろうし、米国も都合の良い2号さんのように扱っていた日本に対して尊敬と畏怖の眼差しを向けただろう。連日の「首相の耳はロバの耳」報道により本質論議もないままに国民の支持も激減し、疲れ切った鳩山氏は八ヶ月余で首相の座を降りた。その後には権勢欲の塊だけの男が首相の座に就いた。全く自民党と変わらない政策へと舵を切り、官僚に阿る言辞を弄して。


 


 国民は選択肢を失ってしまった。党内論議も経ないまま「消費税10%の自民党案が検討材料になる」なぞと口走る総理大臣を戴いた国民を不幸の奈落に落しておいて「最少不幸の国」を作るとほざいたりする。菅首相とは自身の周囲十メートルも見えていないのではないだろうか。


 新党と称する連中も所詮は自民党が政権から離れて生じた遠心力に乗って党を出てきた連中だ。それまでは散々政権党で甘い汁を吸ってきた連中だ。どのような違いがあるのか、声を大きくしてがなり立てるワンイッシューに過ぎない。


 


 改めて民主党に問う。官僚制内閣打破の看板は下ろしたのか。去年の夏に掲げ方各種改革案は改革案のまま腐ってしまったのか。高級ハローワークは廃止どころか補強までしてしまった。高速道路無料化の大きな目的は道路公団利権の打破だったはずだが、五分化された会社のまま推移するのか。子供手当は官僚利権に絡まない直接支給に意味があったが、官僚の意を汲んだマスコミによるばら撒き批判で縮小させようとしている。当初の目的も哲学も何もかもかなぐりすててマスコミにより醸成された世論の風に風見鶏よろしく向きを変えてしまうのか。


 民主党政権には小泉氏の竹中氏のような軍師はいないのか。いれば国家戦略担当大臣に据えるぐらいの戦略はないのか。



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