泥んこ〇〇大会の危険性。

 各地で何のアピールか知らないが、泥んこ〇〇大会なるものが開かれている。そこでは子供たちが田植え前の水を張った田圃で泥にまみれてバレーをしたり、駆けっこをしたりしている。そうした大会に水を差すつもりはさらさらないが、大会主催者は泥の中には無数のバクタリアが生息しているとご存じなのか、注意を喚起しておきたいと思う。


 


 まず注意すべきは泥んこの中で傷を負って菌が侵入する破傷風だが、破傷風菌よる神経毒に侵される神経麻痺症候群を指す。破傷風と診断するには菌の存在と毒素産生を促す局所病変と毒素に免疫のないことの3条件が必要となる。破傷風菌はグラム陽性桿菌で胞子の形で広く土壌に分布してて、傷口から体内に侵入する。潜伏期は3~21日で主な症状は肩こり、舌のもつれ、顔がゆがむといったことから多くは開口障害に発展する。次に嚥下・発語障害、歩行障害が現れ、その後けいれん発作が起こり、全身発作に進展する。特徴的な横紋筋の硬直などへと症状は進行し、意識ははっきりしているが自律神経障害として血圧の変動から頻脈、高体温、不整脈、発汗がみられる。致死率は10~90%と症例報告に幅があるが、外傷の処置から発症までの期間が短いほど重症化しないのは勿論で、症状が出現して全身けいれん発作の出現までの日数が短いほど予後も悪いといわれている。


 


 他にも菌血症や敗血症などの傷口から菌が血液中に侵入することから引き起こす病気にも注意を喚起しておかなければならない。ただ単に泥んこ遊びが面白かっただけでは終われば貴重な体験と自然との触れ合いもあって子供にとって大変有意義だが、主催者はそうした危険な罠が泥んこの中に潜んでいることを絶えず意識しておかなければならないだろう。

 三種混合ワクチンを受けていれば破傷風にはまず罹らないだけにそれほど心配はなかったのだが、親の世代には三種混合ワクチンが副作用などから問題にされた世代に当たり、現在は接種義務はなくそうした知識のない人も多いようだ。三種混合ワクチンを受けていない子供は危険そのものだと心しなければならない。破傷風の知識がないために傷を負って放置し、結果として重篤患者が発生しないことを心から願う。


 


 


 



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